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共にゴールする喜び RUN伴2019千葉 開催(市原市エリア)【市原市】
- 2020/2/6
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RUN伴(らんとも)は、認知症の人や家族、医療福祉関係者、認知症の人と接点がない地域住民のみんなでタスキを繋いで、北海道から沖縄まで日本全国を縦断するプロジェクト。ゴールする喜びや達成感を、認知症の人とそうでない人が共有することで、心身への好影響、認知症へのマイナスイメージの払拭など互いに実感できるリレーイベントとして注目されている。11月2日、エントリー特典のオレンジ色のTシャツを着た大勢の参加者が、RUN伴2019千葉(市原市エリア)の会場となった市役所に集合し、薄桃色のタスキに名前を記して各自の思いを東京都へ繋いだ。
オレンジ色の走る広告
「まずは楽しみましょう! 市役所通りをオレンジ色に染めたいですね。もし、コースの途中で誰かに何のイベントですか?って聞かれたら説明してあげてください。広めてください。認知症の人にとって特に運動やコミュニケーションは大切です。まさにRUN伴はピッタリのイベントです」と開会式で話すのは、千葉ろうさい病院で副院長、認知症疾患医療センター長を務める小沢義典イベント会長。笑顔で力強く紹介した「千葉県の中で、市原市の参加人数は圧倒的に多い!」との言葉に、参加者たちから大きな拍手が沸いた。
3種類設定されたコースは、いずれも市原市役所がスタートでゴール。山倉ダムを2周して戻ってくるAコース(10キロ)、同じくダムを1周するBコース(6キロ)、中核地域生活支援センター(給水所)で折り返し、市役所通りを往復するCコース(2キロ)の中から事前に希望するものを選ぶ。Cコースの参加者は、オレンジ色のポンポンを持って走り、地域への宣伝に、よりいっそう貢献した。
参加者の数だけある楽しみ方
タイムは競わず歩いても止まっても自由。安全のため一組ずつ間隔をあけてスタートした。スタート前、市原市のマスコットキャラクター『オッサくん』と記念撮影をしていた女性陣は、職場の仲間どうし。代表の近藤まゆみさんが「今まではスタッフ側でしたが、今回は初めて『たまには皆で歩こう!』ということで参加側にまわってみました」と話すと、「いや、歩こうじゃなくて走ろうでしょ(笑)」と周りからツッコミを入れられ、和気あいあいの様子。3家族(大人5人、子ども6人)で参加したグループ『たいよう』のメンバーの1人、中島さんは若いお父さん。「初回から参加しています。たくさんの人がいて目的が一緒というのがいいですね」と話し、意気込みを尋ねると「子どもたちに負けない!」と笑顔で答えた。タスキを胸にかけて走るランナーに選ばれた伊藤俊介さんは「みんなの気持ちがこもったタスキをかけているのだから、しっかりやんなきゃ」と真剣な表情を見せた後、「かっこ良く撮ってくださいね」と笑顔で繰り返しながら仲間と3人でスタートした。ゴール後は「タスキの力、すごいです。頑張れました。無事に繋がって良かった。天気もよくて気持ちいいです。次回ももちろん参加します」と満足げだった。
ゴールした参加者には、あたたかい豚汁、塩分補給ができるゼリー、ふかし芋などがふるまわれた。最初にゴールしたのは大野さん、柳橋さん、東畑さんの若い男性3人からなる医療関係者の『東畑トリオ』。「夜勤あけですが1位をねらって全力で走りました。マラソンを通して交流するこの素晴らしいイベントを多くの人に知ってもらいたいです」とコメントした後、「具がたくさん入っていて美味しい」「大根、めっちゃ美味しい」「終わったあとだから、よけい美味しい」と、豚汁や芋を味わっていた。
認知症の人が住みやすい街づくりを
RUN伴は、2011年に全国各地で始まり、千葉県では2017年よりスタートして今年で3回目の開催。主催者はRUN伴2019千葉実行委員会(NPO法人 認知症フレンドシップクラブ)、市原市認知症対策連絡協議会、市原市高齢者福祉施設協議会。市原市エリアには幼児からシニアまで幅広い年代層が参加した。認知症の人、認知症でない人、車椅子の人、ペット連れの人など様々だが、思いは同じ。「認知症の人をみんなで支えたい」「誰もが排除されない優しい地域を作りたい」と願っている。
自らもタスキを胸に10キロを走った小沢会長は、参加者全員の無事を確認すると安堵した様子で「全国で同じ気持ちで開催できるイベントは少ない。その一翼を担えたのは素晴らしい」。認知症の家族を支えるスタッフの1人は「認知症に関連するイベントは屋内のものが多いですが、アウトドアのイベントが増えて、認知症であることを外へ向けて大っぴらにできる時代が来るといいなと思っています」。実行委員会事務局長の恩田淳さんは「毎年、参加人数が増えています。イベントの主旨を理解してもらえているようです。これからも、より多くの人に認知症を理解してほしい。認知症の人が住みやすい街づくりが必要だと思います」と語った。
問合せ:RUN伴ホームページ
https://runtomo.org/