ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 内田小でのサシバ保護

 市原市立内田小学校が2021年(令和3年)3月に閉校した。明治の開校以来、148年に及ぶ歴史に幕が下りたのだ。個人的には非常に感慨深い。同小学校とは、毎冬のPTA主催のバードウォッチングや環境教育などで、1996年(平成8年)から2020年まで25年ほどのお付き合いとなる。生徒たちと一緒に、内田地区の豊かな里山自然の中で多くの野鳥を観察し、感動を共有した。
 なかでも忘れられないのは、タカの仲間のサシバを保護し、自然に帰したことである。
2000年(平成12年)5月「防鳥網に羽をひっかけ飛べなくなっているタカを保護したので対応して欲しい」という連絡をもらい、小学校に急行した。すぐに、先生たちと千葉市の動物病院に移送したが、羽が傷んでおり、すぐには飛べずに「入院」。その後、
病院の手厚い処置もあって順調に回復し、保護してから10日後の昼休みに全校生徒の前で野生に戻した。命の大切さや人と野鳥の共生について、思いを深くした出来事であった。
 内田地区は、いくつかの谷津が入り込む自然豊かな里山である。野鳥観察を通して多くの生徒たちと触れ合い、自然に向き合う気持ちや行動など、教えられることも多かった。今は感謝しかない。小学校は閉校になってしまったが、サシバ舞う豊かな里山自然は永遠に残って欲しい。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)

ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。市原の豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

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