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ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ~ニシキギとコマユミ~
- 2021/10/7
- 市原版, シティライフ掲載記事
- ふるさとビジター館
モミジの紅葉が関東で一番遅いといわれる房総でも、早くから紅葉する樹々がある。里山の散策路にみられるニシキギ(錦木)もその一つ。ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木で高さ1~3メートル。葉は対生、長さ2~7センチの長楕円形。花は淡緑色で大きさ8ミリの集散花序。
秋の紅葉が錦のように美しいことからニシキギと名付けられた。枝にコルク質の翼が4枚、十字に発達した姿から、主に園芸用に使われる。里山に自生するニシキギには翼が発達していないものが多く、特に翼がないものをコマユミ(小真弓)といい、区別している。たいていは葉が茂って翼は見えにくい。葉が落ちた後か、葉を掻き分けられるほど近づかないとこの判別は難しい。写真はコマユミ。
ニシキギもコマユミも、紅葉は下段の枝先から幹に向かい、上段へとゆっくり紅くなる。緑の葉と紅い葉とその中間の色が1本の木に混在して、錦模様になる。全葉が一斉に紅葉する樹々とは趣が異なる。葉陰から覗く橙赤色の実も錦に色を添える。
里山散策では、緑が残る林の中に1本だけ紅葉している樹が見つかることが時々ある。双眼鏡で見る葉の模様だけで、種類を判別するのは難しい。名前が判らずとも美しさは堪能できる。秋の紅葉が長い期間楽しめるのも自然が豊かな証。いつまでも大切に残したい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)
ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。市原の豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)