ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ~ニシキギとコマユミ~

 モミジの紅葉が関東で一番遅いといわれる房総でも、早くから紅葉する樹々がある。里山の散策路にみられるニシキギ(錦木)もその一つ。ニシキギ科ニシキギ属の落葉低木で高さ1~3メートル。葉は対生、長さ2~7センチの長楕円形。花は淡緑色で大きさ8ミリの集散花序。
 秋の紅葉が錦のように美しいことからニシキギと名付けられた。枝にコルク質の翼が4枚、十字に発達した姿から、主に園芸用に使われる。里山に自生するニシキギには翼が発達していないものが多く、特に翼がないものをコマユミ(小真弓)といい、区別している。たいていは葉が茂って翼は見えにくい。葉が落ちた後か、葉を掻き分けられるほど近づかないとこの判別は難しい。写真はコマユミ。
 ニシキギもコマユミも、紅葉は下段の枝先から幹に向かい、上段へとゆっくり紅くなる。緑の葉と紅い葉とその中間の色が1本の木に混在して、錦模様になる。全葉が一斉に紅葉する樹々とは趣が異なる。葉陰から覗く橙赤色の実も錦に色を添える。
 里山散策では、緑が残る林の中に1本だけ紅葉している樹が見つかることが時々ある。双眼鏡で見る葉の模様だけで、種類を判別するのは難しい。名前が判らずとも美しさは堪能できる。秋の紅葉が長い期間楽しめるのも自然が豊かな証。いつまでも大切に残したい。
(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)

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