世界で有名なパイプオルガン 荘厳な音色を気軽に楽しむ【市原市】

 市原市・JR五井駅のほど近く、住宅街にある五井ナザレン教会では、気軽にパイプオルガンが楽しめる『パイプオルガンでさんびか』を月1回、開催している。牧師の永野健一さんは「ここでは特殊なコンピュータ・ソフトのシステムを使って、ヨーロッパの有名なパイプオルガンの音色を再現し、演奏しています。どなでもご参加いただけますよ」と話す。

 

 五井ナザレン教会に導入されたパイプオルガンのソフトはドイツ製。日本では販売しておらず、永野さんが購入した時は、日本語の分からない販売元と直接やり取りしたという。「説明書も日本語はありません。これを日本で使うには、コンピュータとパイプオルガンの知識がともに必要になるので、たぶん、日本の教会で使っているのは私だけかと思います」。永野さんは広島工業大学で電子工学を学び、東京で情報システムのプログラムを作る会社にも勤めた専門家。中学の授業で聞いたバッハの『小フーガト短調』に感銘を受け、「いつか自分もパイプオルガンを弾いてみたい」と、独学で少しずつオルガンの演奏方法を学び、パイプオルガンについても調べたのだという。「ヨーロッパと違い、パイプオルガンは日本では馴染みのない楽器。とてもマイナーな分野なので、日本でこのソフトを使っている方もごく少数だと思います」

 その稀少なシステムを使った五井教会の木製の電気オルガンは、以前から教会にあったもの。永野さんが五井に赴任してきたとき、すでに内部もかなり傷んでいて、音も良くなかったそうだ。もともとソフトの存在を知っていた永野さんは、本格的なパイプオルガンの演奏ができると2019年に購入。既存の古いタイプのオルガンなどで使うには、鍵盤や足ペダルとシステムをつなぐ配線のための特殊な修理が必要だったが、オルガンの外側や鍵盤、足ペダルはそのままに、鍵盤のタッチなどもこだわった上で、日本のパイプオルガン工房にその改造を依頼したという。

「大きなパイプオルガンだと3~5段の鍵盤で、最長約9・7メートルものパイプになります。そのパイプに送風機で風を送り、音を鳴らして、大きな教会の空間そのもので独特の音の響きと重なりを表現するんですね。このソフトでは、五井の教会のオルガンのように2段の鍵盤で、それほど空間が高くない場所でも、その大きな教会での響きを再現できます。パイプによって音色も違うので、その組合せを切り替え、音色を変えての演奏もOK。柔らかな響きも荘厳な音色も楽しめます。同じ曲でも、設定を変えるとまったく違う印象になったりしますので、本場のパイプオルガンの、豊かで多彩、特色ある艶や煌びやかな音色を、ぜひ体感しに来てください」と永野さん。

 次回の『パイプオルガンでさんびか』は、クリスマスイブの12月24日(土)、13時半~15時。『きよしこの夜』『諸人こぞりて』などお馴染みの曲を演奏する。参加無料で、一緒に歌っても、聞くだけでもOK。「毎回10名くらいの参加で、常連さんもいらっしゃいます。演奏したい、オルガンに触ってみたいという方も大歓迎です」とのこと。

 

問合せ:五井ナザレン教会

市原市五井中央西3の8の6(2階礼拝堂)

Tel.0436・21・0566

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