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懐かしのシネマ~ウエスト・サイド物語~
- 2023/12/7
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光陰矢の如し、今年の掉尾(ちょうび)を飾る懐かしの映画は、「ウエスト・サイド物語」です。1961年(昭和36年)公開、監督はロバート・ワイズ(2005年・91歳没)。私は「ウエスト・サイド物語」は、ミュージカル映画の最高傑作だと思っています。第34回アカデミー賞で「作品賞」ロバート・ワイズ、「監督賞」ジェローム・ロビンズとロバート・ワイズ(二人で監督をしています)、「助演男優賞」ジョージ・チャキリス、「助演女優賞」リタ・モレノと、それぞれ受賞しました。ロバート・ワイズは、4年後に「サウンド・オブ・ミュージック」でも監督賞を受賞しています。
ストーリー・音楽・歌・ダンス・ファッション、どれもが素晴らしく、1年半にわたるロングラン上映となった記憶があります。何と言っても400日以上のロングラン上映は日本では初めてのことで、これは多くの若者たちがリピーター(カップルで見に来る)になったことからでした。当時の日本のファッションはアメリカン・スタイルが主流。ファッションディレクターでメンズファッションの神様・石津謙介氏が生みの親として知られる日本独自の「アイビールック」も、60年代に一世を風靡しました。映画では、ジーンズとコンバースシューズで踊るシーンが印象的で、若者たちのカジュアルファッションの定番になりました。まさにこの時代にマッチした映画といえます。
奇しくもこの11月上旬に、巨匠スティーヴン・スピルバーグが製作した「ウエスト・サイド・ストーリー」(米国で2021年、日本では2022年公開)が、急遽(きゅうきょ)衛星放送で放映されました。スピルバーグの「ウエスト・サイド・ストーリー」は、残念な事に、第79回アカデミー賞でアリアナ・デボーズが助演女優賞を受賞したのみで、寂しい限りでしたが、ご覧になった方はいかがでしたでしょうか?
来年も「懐かしのシネマ」では、相応しい映画を紹介していきますので、お楽しみに。読者の皆様も、どうぞ良いお年をお迎えください。
◇黛葉(まゆずみ・よう)
茂原市在住。1942年生。元映画配給会社宣伝プロデューサー。現役時代は年200本以上を鑑賞、現在、放送された洋邦画の録画DVDは1100枚以上にのぼる。