『自然観察やまぼうし』
- 2013/5/31
- 外房版

『自然観察やまぼうし』
石原伸晃環境大臣より表彰される
大網白里市で、ウオーキングや自然に関するボランティア活動を20年近くコツコツと続けてきた市内在住の上田弘子さんが代表を務める『自然観察やまぼうし』が、『平成24年度子どもホタレンジャー』(主催・環境省)優秀賞を受賞し、都内千代田区霞が関にある環境省で行われた活動報告会・表彰式に出席した。
『子どもホタレンジャー』とは、環境省が水質浄化の啓蒙の一環として、ホタルが棲める環境を守るために活動する子どもたちに対して名付けたもの。今年度は全国から32団体の応募があり、3団体が受賞した。当日は石原伸晃環境大臣から受章者に表彰状が手渡され、記念撮影も行われた。「石原大臣は出席した幼い女の子に『おじさんが抱っこしてあげる』と膝の上に。とても気さくな方でした」と、上田さんは微笑む。
『自然観察やまぼうし』は、「自分たちの住む町をもっと知ろう、自分たちを取り巻く自然を見つめよう、四季折々に変化する里山・里海の美しい自然を大切にしよう」と、観察会を開いてきた。子どもから大人まで自由に参加でき、毎月1回の定例の観察会と、季節ごとの観察会を随時開いてもいる。
同時に、子どもたちを主役にした子ども観察会も開き、幼稚園児から中学生までの約20名が、大網白里町(今年1月からは市)内を流れる小中川上流から中流、萱野地区の大地上の田や水路を活動場所として、7年間、観察会や水質調査を行ってきた。そして毎年観察会に参加して調査・提出している千葉県環境研究センターからの強い勧めで、今回の応募に踏み切った。
代表の上田さんは、受賞について、「まず、嬉しかった。長年、色々なボランティア活動をしてきて、格別、県や町(市)から、お褒めの言葉をいただいたこともなかったのに、いきなり国からいただけるなんて。私は見返りを期待せず、皆に喜んでもらえたらと続けてきた。だから受賞後も今までと同じスタンスで続けていきたい」と語る。
上田さんが主宰するウオーキング会は140回を迎え、下見の上設定するコースは130を超えた。会の記録を綴ったマップ入りの『あゆみ』の本も5回発行した。地元だけでなく貸切バスで行く観察会やウオーキングも毎回満員御礼だ。マンネリ化したり参加者が減ることもない。今後の課題は、現在共に活動している観察ガイドの中から上田さんの後継者が誕生することだ。