ノルディックウオークで健康、長生き!

今、注目のフィットネスエクササイズ
ノルディックウオークで健康、長生き!

 2月2日(日)、長生郡睦沢町で開催されたぐるっと長生(ながいき)フェスタ2014。メインイベントであるノルディックウオークには、総勢180名の老若男女が参加した。当初は120名の募集案内だったが、それを大幅に超える200名からの応募があったことからも関心の高さがうかがえる。
「ノルディックウオーキングとは、2本のポールを使って歩行を補助しながら、運動効果を増強するフィットネスエクササイズの一種。全身の90%を使ってできる運動で、手足の疲れを軽減させながら腰回りをよく動かせる。よく、ポールを持ち歩くことで楽になったと話す方がいるが、実際の運動量は3倍以上に増している」と話すのは、(社)全日本ノルディック・ウオーク連盟で東日本ブロック長を勤める田村秀人さん。
 同フェスタでノルディックウオークを開催するのは4回目。田村さんはその発案者の1人であり、これまで白子、長柄、一宮と長生郡の様々な地域を巡ってきた。そして、(公社)千葉県観光物産協会の石田文夫さんも、「今回は赤、黄色、黒、水色、緑、桃、白とチームに分かれて移動する。それぞれの班にインストラクターが付き添い、初心者の方もきちんとサポートできる体勢にしている」と続ける。
 行程は睦沢町役場を出発してから瑞沢川左岸を歩行、波の伊八の欄間彫刻で有名な成就院を見学した後、歓喜寺にて昼食をとる。そこから町道下之郷寺崎線をぐるりと回って、弘行寺で新年初不動大護摩祈願を見学して役場に戻ってくるという、往復約7キロのコース。その道中でもカモやアヒル、キジに出会えたり、早咲きの梅を目にしたりと里山ならではの季節を肌で感じられる楽しみがあった。
 千葉市土気から参加した60代の男性は、「2年前から県内あちこちのロードレースに参加している。元々は、腹周りが太ってきたので運動の一環として始めたが、面白い。一度砂浜の大会に興味本位で行ったら足を砂にとられて大変だった。千葉はお寺もたくさんあるので訪ね歩くのも楽しいし、私は波の伊八の作品が大好きなので今日は見られてとても嬉しい」と語り、満足そう。休憩所で配られたお茶とからあげを美味しそうに平らげた。
 朝から降っては止んでと繰り返していた雨が、昼食所の歓喜寺に着くと一時本降りに。境内やテント下で配布された弁当と温かいけんちん汁を食べながら、身体を休める。空を見上げるほどの垂直さで伸びる階段の上に建つ歓喜寺は、江戸時代に立てられた朱塗りの仁王門を配し、徳川将軍ゆかりの寺。雨具を着た参加者たちは、食事を済ませるとぞくぞくと太平洋を一望できる展望台へと上がっていった。
「ポールを持って歩いていると、自然と背筋が伸びる気がする」、「車を持っていないので普段から交通手段は徒歩。バスを待っている時間があれば歩けてしまう。今回はもっと運動すると思ったけど、いつも歩いているから楽チン!」という声から、「準備運動の段階で疲れちゃった」というものまで反応は色々。その中でも、木更津市から参加した女性はなんと91歳。「孫と一緒に住んでいる。普段から散歩をしているし、ポールで身体を支えると歩きやすい」と話す。孫である男性も「毎月1回くらいのペースでイベントに参加している。今までで遠いと福島の南会津、宮城の松島、新潟にも行った。きっかけは3年くらい前に田村さんが開催していた高齢者自立支援策だった。速度と時間、距離を計算してゴールできる範囲であれば連れて行ってあげたい。おばあちゃんを見て、10年後ああなっていたいと目標にしてもらえたら」と続ける。参加したイベントでもらったピンバッジを鞄につけて笑う女性は、長生(ながいき)フェスタの象徴だったのかもしれない。
「今まで、イベントをやろうとするとお金をかけることが多かった。でも、これからは自分達でいいものを見つけて活用するというスタイルを発展させていくべき。歩いて健康になり、地域の魅力も再発見できる。今回の大護摩焚きのように地元の伝統的な行事と合わせてやるというのもおもしろい。まだまだ長生の歩きたいところはたくさんある。5、6回と繋げていけたら」と石田さんは力強く語る。睦沢町役場に戻る頃には日が差し、温度も上昇。「まだまだ歩けるね!」との声が続出する中、すべての参加者が見事にゴールした。

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