自ら考え、作って遊ぶ

 若者の理系離れや子どもの理科離れが叫ばれる中、「見る、聞くだけではなく、身近にある材料を使って自分で考え、作って遊ぶ。ものづくりから科学に興味を持ってもらいたい」と、茂原市中央公民館で毎年開催されている『自然科学実験イベント』。
 第15回を迎える今回は『空気の力で浮かぶ・走る!ホバークラフトを作ろう!』がテーマ。やる気満々の小学4~6年生56名が真剣な表情で作業に取り組んだ。主催は茂原市教育委員会を含む自然科学実験イベント実行委員会。茂原市教育研究会理科部会、茂原少年少女発明クラブ、おもちゃの病院他ボランティアスタッフの21名が講師を務めた。
 発砲スチロールの薄い板の下部に、空気穴を4つ開けたビニール袋を貼り付ける。板の中央にも穴を開けて上からどんぶりを被せ、浮力モーターとプロペラを装着。上部から空気を穴に向けて送り込み、空気の力で本体が浮かび上がる仕組みだ。モーターとプロペラは前進させるために後部にも取り付けている。ビニール袋に穴を開ける作業はとても重要。前部と後部に横並びで2つずつ開けるのだが、左右の穴の大きさが違うと空気の抜ける量が異なり本体が傾く。まっすぐ前進させるためには重心の位置がカギ。設計図通り正確に作ることが求められる。子ども達がパーツをきちんと切ったり貼ったりできるよう、同委員会手製の製作キットには行き届いた工夫がされていた。 
 出来上がった子は、後方スペースに作られた7つのレーンで続々と試走。同じ部品で作ったものだが、まっすぐに進むものもあればクルクル回って前進しないものも。その場合は尾翼をつけるなどしてバランスをとる。子ども達は、何度も走らせては調整を繰り返し、自分だけのホバークラフトを完成させた。
 自ら作ったホバークラフトを走らせる時、うまく走らない原因を講師と共にあれこれ考えている時、子どもたちは実に生き生きとしている。「ものづくりに夢中になっている時の子ども達の目つきは輝いているでしょ。そんな姿を見るとこちらも嬉しくなります」と講師の古市政雄さん。
 さて、いよいよ競技会。各レーンのスタート地点にスイッチを入れたホバークラフトを置き、手を離す。先にゴールへ到達したものが勝ち。勢いよく飛び出したのにレーンの仕切りにぶつかって止まってしまうものや、なかなか前に進まないものもあった。予選、準決勝、決勝を経て見事優勝を勝ち取った小5の佐藤恒希くんは勝ちが決まった瞬間、「よっしゃーっ!」と大喜びした。調整せずともまっすぐに進んだらしく「空気抵抗を抑えるため、余計なものを取り付けなかったのがよかったと思う」と満面の笑みで話した。その他、優れた工夫の見られる作品には特別賞、その中でも最も優れた作品には実行委員長賞が送られた。

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