受け継がれる東浪見甚句を日本の宝に

 4月29日、長生郡一宮町にある玉前神社で開催された『さすが市』では、東浪見甚句保存会が『東浪見甚句』を披露した。指導者の松本勇子さんは、「東浪見甚句はかつて江戸時代に漁師の間で豊漁を願い祝う祝宴などで踊られていたものです」と説明する。その後、地元の民謡研究家である故・長谷川實さんが消滅を惜しみ数百もあったといわれる歌詞を整理して後世に残すためにレコード化した。
「昭和39年には無形文化財に指定されており、東浪見甚句保存会はオランダで行われた世界民俗芸能祭にも日本代表として派遣されています」と続ける松本さんは、「東浪見甚句を受け継いでいくことが祖父の願いでした。私はリレーのバトンを持てたようなものです」と想いを語る。東浪見甚句を2歳から習い始める子どももいて、近年悩まれることの多い継承者問題は無関係に見えるが、そうではないようだ。
「日本は歌や三味線、他にも伝統的な文化はたくさんありますが、どれも好きな人が自身のお金で頑張れという方針。教育も大事だけれど、後継者が育たないことは大きな問題」という松本さん。地域の機関に訴えることで、現在は東浪見小学校での指導が続いている。メンバーは約20名。それぞれが「緊張しない舞台はないですが、緊張することが大事です」と頷き合う。九十九里の海と先代の想いを想像しながら舞うという東浪見甚句は、見ているとどこか懐かしい気持ちにさせてくれる。

問合せ 松本さん
TEL 0475・32・0020

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