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のびのび子育て、ずっと暮らせる町を目指して
- 2016/1/1
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消滅可能性都市とは、少子化や人口転出に歯止めがきかず、将来消滅する可能性のある自治体のこと。温暖な気候と器械根とよばれる水深20~30mの岩礁地帯に多くの魚が集まる日本有数の恵まれた魚場があり、昔ながらの里山の風景が残る夷隅地域も、高齢者人口が生産年齢人口を上回り、地域社会としの機能が危ぶまれている。そこで地元の有志らが持続可能な地域を目指し、里山・里海の資源循環を考えるトークセッションと地域振興や人口問題についての講演会を開催した。
トークセッションでは現役の漁師、NPO法人として放置された竹林の整備や竹を使った商品開発を行っている団体、ココミュニティで有機稲作に取り組む営農組合、自然体験型の自主保育を行う代表らがそれぞれの活動を紹介。地域の夷隅地域に寄せる思いや活動内容、問題点を発表した。
概して地元に住む人の多くは、地域には何も無く仕事も無いと考え、若者が仕事を得るために地元を離れるのもいたしかないと考えているという。しかし東京と比べ、夷隅地域の夏は涼しく冬は暖かく、東京まで電車で約1時間のアクセス。新鮮な食材も安く手に入るので暮らしやすく、住居や子育て支援が整うなら十分に若い世代の移住者を増やすことができると講演者。
「私も移住者ですが、地域の特性を知り資源や人材を活用するなら、ずっと存続可能な地域になると信じています。そのためには私達が今後どう考え行動するかが大切。自治体を越えた人と人とのつながり、市民力が試されるのだと思います」と実行委員会代表の伊藤幹雄さん。
会場には千葉の間伐材を粉砕、圧縮して燃料として使うストーブや竹炭などが展示され、訪れた人の関心を集めていた。いすみ市では今年から学校給食に地元農家が取り組んだ無農薬、有機栽培の米を使うと同時に「いすみっこ」というネーミングで一般にも販売。将来、野菜も含め地域の中の資源が循環するよう動き出している。地産地消、子育て支援など課題は多そうだが、徐々に成果をあげてきているようだ。
問合せ いすみ薪ネットワーク伊藤幹雄さん
TEL 090・1531・7931