美術館で楽しむ音楽 マリンバってどんな楽器??

 10月1日(土)、茂原市立美術館で開催された『第7回もばら美術館コンサート~マリンバを楽しむ秋のひととき』。開場の午後1時になると、館内ロビーには立ち見がでるほどの大盛況で幕を開けた。マリンバとはアフリカ発祥の鍵盤打楽器で木琴の一種。演奏者の野口彩乃さん(28)と原順子さん(28)は桐朋学園大学音楽学部打楽器専攻をともに卒業し、現在は各地でマリンバの演奏活動をしている。
 山武市出身の野口さんは、「マリンバには、小学校などにある木琴とはまた違った魅力があり、初めて聴く方はその音の大きさや響きに驚かれることがあります。この機会にマリンバの世界を広めていきたいです」と話す。ゴムの球を毛糸で巻いたマレットという専用のバチを片手に2本ずつ持って鍵盤を叩く。1台のマリンバに対して、2人が持った8本のマレットは目にもとまらぬ速さで行ったり来たり。
 野口さんのソロ演奏4曲を含め、デュエットでは『剣の舞』や『情熱大陸』など全11曲が披露された。美空ひばりメドレーでは客席から歌声が漏れる場面もあり、野口さんは「口ずさんでいただけると私達も幸せな気持ちになります」とはにかんだ。曲の合間も、持参した打楽器の紹介をしたり、学生時代の思い出に触れたりと客席を飽きさせることなく1時間があっという間。「マリンバは、本番の度に解体と組み立てが必要で大変なことも多いです。でも大きな楽器を演奏している姿を目で見ても楽しめるので、いかにマリンバの音色や特徴を活かしてお客様が楽しめるプログラムにできるか考えるのも、やりがいです」と原さん。
 主催の茂原市音楽協会の竹本依知子(いちこ)さんは、「同じ日に同じ場所で、美術館の絵画とお茶、音楽と3つ楽しめるこのコラボイベント。普段はお互いになじみのない事柄でも、ふらっと立ち寄るように気軽に触れあえるのが醍醐味です」と満足そうに話す。今までもオーボエや二胡演奏者、バリトン歌手など様々な演者を招いてきたが、その結果、改善点も多く生かされている。「毎回コンサートに200人前後いらっしゃるので、美術展に訪れた方になるべくご不便にならないよう椅子を配置します。どこで演奏すれば音がこもらないのか、そして2階からも演奏が見えるように、会場の向きも変更しています」と同協会の片岡久美子さんは続けた。
 また、市役所で行われるロビーコンサートと大きく異なる点は、このイベントが土日に開催されることである。普段平日は仕事に勤しむ人、また茂原市外からも人が集まってくる。服装に気を遣うこともなく、気軽に立ち寄れる同イベント。来年の秋、再び行われるであろうコンサートが今から楽しみである。
問合せ 茂原市音楽協会代表 比留川さん
TEL 090-9204-1950

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