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地域とともに波に乗れ一宮!平成28年度千葉県高等学校生徒商業研究発表大会最優秀賞受賞(関東大会出場)
- 2017/1/1
- 外房版, シティライフ掲載記事
一宮商業高等学校 ビジネス研究班
昨年の8月31日、千葉県立一宮商業高等学校(田中薫校長)のビジネス研究班が千葉県高等学校生徒商業研究発表大会にて最優秀賞を受賞し、11連覇を果たした。4月から3年生12名が『課題研究』という授業で取り組んだのは地元一宮町の地域活性化。町役場の職員に話を聞いたり、観光案内を集めたりして、地域の魅力を知ることからはじめ、オリンピックの正式競技に決定したサーフィンをテーマに奮闘した。「言葉にならないくらい嬉しい」とインタビューに答えてくれたのは藤森友仁くん、渡邉英樹くん、魚地愛栞さん、増田琴乃さん。同校OBでもある担当教諭田中善洋さんも「11連覇の期待に応え、よく乗り切ってくれました」と誇らしげに話した。
まず、生徒たちは、5月に一宮町で開催されたサーフィンの国際大会ワールドサーフリーグ会期中にシンポジウムやアンケート調査に参加協力し、町の持つ可能性について探った。そのなかで、浮かび上がった課題は「住民に町の良さが知られていない」、「町を代表するお土産が少ない」、「子どもたちの遊び場が少ない」だったという。
そこで、一宮町のお土産を作りたいと全員で「これだ!」と決めたのは『ギョサン』。漁業関係者が使う滑りにくく機能的なサンダルで、近年、サーファーの間で人気が高まり、アイドルが着用して話題になった。「町のあちこちで宣伝ののぼりが立っていたのに研究班の誰も知りませんでした」。校内でデザインコンテストを開き、商品化した。
また、「町には特産品がたくさんあるのに観光客の目にとまりにくい」と感じ、有名ブランド『長生トマト』を使ったスイーツも開発することにした。『とまとあんにん♪』はメンバーの12人中8人がトマト嫌いというなかで生まれた商品。地元菓子工房『杏』の協力を得て、杏仁豆腐とトマトの配合やトッピングをかえて何度も試作してもらい、トマト嫌いにも好まれる味になった。かわいいパッケージも生徒のデザインだ。
一宮町をイメージするオリジナルの『ステッカー』にはサーフィンと町への思いを込めた。「意見をまとめるのが大変でした」と魚地さん。モチーフや絵の雰囲気はどうするのかなど白熱した話し合いを続けた結果、描くことになったのは有名なサーフスポット釣ヶ崎海岸の鳥居や一宮町の花の山ユリなど。町でチョークアート教室・制作をする『KUMAKUJIRA Chalk Art Service』に依頼した完成品を見たとき「とてもきれいで嬉しくなった」そうだ。
昨年8月、子どもたちに楽しみながら一宮を知ってもらおうと、一宮海岸広場にて『サマーフェスティバル』も開催した。事前準備について渡邉くんは「とてつもなく大変でした」と話す。貝殻アート、町にちなんだクイズ大会、ステッカーラリーなどイベントの企画を提案すると、熱中症対策や子どもたちの安全について指摘され、修正を迫られた。ポスターや看板の作成とともに、ラリー用のステッカーを置く飲食店やサーフショップにも足を運んだ。「お店の事を知ろうと焼肉も食べました」。熱意が実り、17店舗の了解を得た。開催日、急いでいてサンダルを履きそびれ「子どもたちのラリーに素足で付き添った」という生徒もいたほど熱中して取り組んだという。もちろん、開発したオリジナル商品も好評だった。
魚地さんは「短い期間に多くの活動をしました」と充実した日々を振り返る。夏休み中も毎日登校し、「家にいる時間より長い。泊まった方がいいかも」と言いあうほど力を入れ、イベント後も発表大会の準備に追われた。「大会の原稿は長くて大変でした。でも、絶対に全部暗記するという気持ちで原稿を捨てました」と当時の意気込みを打ち明ける。増田さんは「全力でやりきりました。無理だと思ったことも町の人たちが協力してくれ、人と人のつながりの大切さを知りました」と感謝する。
藤森くんは「これからは町とサーフィンに訪れる人たちが一体となって盛り上げてほしい」と自分たちの掘り起こした町の魅力が多くの人に広まるのを期待している。今後、開発した商品は町のイベントなどで販売する。『ステッカー』は販路拡大をねらい、『とまとあんにん♪』は菓子工房杏が定期的に取り扱うことになった。12月、サーフィンのオリンピック開催地は一宮町に決定した。