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世代間バンドが月日を共にし、家族のような存在に
- 2017/2/24
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「ねぎバンバンのエンジンは思いやり!!」 ねぎバンバン
千葉市緑区や外房を中心に活動している思いやりバンド『ねぎバンバン』。この一風変わった名前を、ギター担当でバンド代表の入野栄介さんは、「2008年、僕が別の仲間と土気創造の杜で開催されたサマーフェスティバルに参加することになり、ある焼鳥チェーン店でバンド名を考えていたんです。遊びで、お店のメニューを上げていくと妙にしっくり記憶に残りそうなものがありました。それがねぎバンバンだったんです」と説明して笑う。
その後、バンドは解散。音楽を辞めようかと悩んでいた時に再会したのがギターの吉田寿宏さんだ。作詞・作曲を手掛ける入野さんは、以前ライブハウスで会ったことのある吉田さんに声をかけられバンドの存続を決意。「僕の音楽の恩人です」と信頼を寄せる。そこにベースの斉藤陽一さん、ギターの鈴木さん、キーボードの前田恭子さんが加わり結成したのが2011年のこと。「誰かがやろうよって誘いの声をかけた訳でもないんです。音楽イベントなどで顔見知りくらいだったのに、自然と、なんとなく始まったんですよ」と前田さんは思い出す。
バンドのレパートリー曲は約50曲で、そのうちオリジナルは16曲。「初めに栄介君が作詞と作曲をして、毎週水曜日にやっている練習の時にギターで披露してくれるんです。各自ボイスレコーダーに録って、家でアレンジして出来上がっていきます」と話す斉藤さん。骨格となるメロディーのどの部分、どの音程に手を加えるかはそれぞれの感覚で。「僕は曲を披露した後の、最初の練習の時が一番緊張します。1人で作った曲がバンドになるとこんなにも変わるんだと、改めて感動することも多いですね」と入野さんも続ける。
作曲する時はピアノの前や机でじっと考えることがほとんど。夢に出てきた歌をそのまま曲にしてみたことが一度だけあるというが、普段仕上がるまでには入野さんの努力が欠かせない。それらの曲はほとんどがポップスだが、最終的な仕上がりはメンバー次第。相手の音や声を聞いて、この部分に入れるな、と感じればコーラスを加える。それゆえに、入野さんの想像と違った完成となることもあるが、それで良い、という。「何度も練習して歌っていくうちに、あぁ、ここが好きだなって思うようになるんです」と前田さんが話す曲は、全員がヴォーカルを担当していて、斉藤さんの少し高めの声が重なると絶妙なバランスになる。誰かが面白いと思ったことは、みんなでその方向へ歩んでみる。そんな風に6年間歩んできた。
そこまでお互いの『音』を信じることができるのも、信頼あってこそ。「メンバーは30から50代までと年齢層はバラバラです。信頼がなければとっくに解散していますよ。仕事や家庭と同じでそれぞれに役割があって、みんながうまくこなしています。前田さんは司令官で、斉藤さんは職人的安定感。鈴木さんはムードメーカーな所があって、私は鬼軍曹ね」と吉田さんが言うと、メンバーがすぐに笑って反応する。
お互いの存在を『家族』のようだと口を揃える彼らは、結成してから一度も喧嘩をしたことがない。曲調だけでなく、ライブや練習への参加を縛り付ける者もいない。常に相談し合い、お互いを認めあう。それは身内だけでなく、外部の人間への対応にも反映されている。昨年参加した大原の『酒蔵まつり』では当日台風の影響で雨風共に強く、機材を守るために設置したテントさえ吹き飛ばされそうになった。色んなバンドが出演する中、メンバーたちは雨に濡れながらもテントの杭を守り続けたとか。
また、毎年6月に開催されているイベント『土気ロック』は入野さんが主催するイベント。「20分ごとに演奏者が入れ替わるので、準備にかける時間もないんです。そんな中、12組のバンドが移動する機材などすべてメンバーが調整してくれました。文句も言わず、指摘もせずです」と入野さん。そんな思いやり溢れるバンド『ねぎバンバン』は毎月第2土曜日、千葉市緑区にある昭和の森(フォレストビレッジ)で夜7時半からライブを開催予定。夏場はキャンプ場への来場者が多く、特に盛り上がるという。ライブ出演も受付中。詳細は問合せを。
問合せ 入野さん
TEL O90・2444・0630