一人暮らしの不安笑って分かち合う

 「1日中誰からも電話が来ない日や雨でどこにも外出できない日、ふと寂しく感じる夕暮れ時、自分一人だけじゃない、他にも同じ気持ちの人がいると思うとホッとできます」と優しい口調で話すのは『笑未会』代表、60代の池田好子さん。「今は寂しくても笑って楽しく過ごせる日が必ず来ますよ、という気持ちで名付けました」
 2年前に夫と死別した池田さんは、市の後押しを受け、一人で暮らす女性の会を立ち上げた。昨年11月、茂原市総合市民センターにて第1回を開くと、夫と死別や離婚などした参加者が用意したイスに座りきれないほど集まった。話を聞いてみると「今は元気だけど先が心配」、「何かあったときに頼れる人がいたら」、「些細な物音や風の音に怯える」などほとんどの女性が不安を抱えていた。
 第3回の1月の参加者は9人。介護タクシーや家事援助をしてくれる業者、冷蔵庫などに貼っておく緊急医療情報用紙、あんしん電話(緊急連絡装置)や医療費控除の申請の仕方などを教えあい、たわいないおしゃべりをしてのんびり過ごした。趣味の押し花やちぎり絵を楽しむ友人もいるという女性は、参加理由を「同じ境遇の相手となら、寂しさをわかってもらえそう。地元出身ではないのでもっと知り合いを作りたいと思います」と話す。
 池田さんは「まだ、お互いを知り合う段階。参加者が固定してきたら、会の方向を決めていきたい。ハイキングやお花見など戸外へも出かけたいですね」と今後について考えている。対象は6080歳ぐらい、毎月第4火曜日13時15時、同センターに自力で来られる方。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…
  2.  市原湖畔美術館では、百年後芸術祭|内房総アートフェス|の一環として『ICHIHARA×ART×CONNECTIONS|交差する世界とわたし…
  3.  千葉県南房総市にある酪農のさとは日本酪農発祥の地で、江戸時代に八代将軍・徳川吉宗がインド産の白牛を飼育して、乳製品を作ったことで知られてい…
  4.  森や川に生息する動植物などを観察し、親子で自然を楽しみましょう!4月27日(土)、9月7日(土)、11月9日(土)の全3回に渡って行い、講…
  5.  いつの間にか春も盛り。寒いうちに庭木に寒肥(肥料)を与えておこうと思ったのに遅くなってしまいました。寒い時は庭仕事がどうしても億劫になって…
  6. 【写真】ケヤキ一枚板のカウンターと。左から鈴木さん、悦子さん、智明さん  大谷家具製作所は2011年11月に長南町長南に工…
  7. 『リーダーハーフェン』は1982年結成の男声合唱団で、42年間その歌声を響かせてきた。構成は、トップテノール・セカンドテノール・バリトン・…
  8.  多くの映画ファンを虜(とりこ)にした女優オードリー・ヘプバーンを、前半・後半と2回に分けて掲載します。ヘプバーンは今でも日本や欧米諸国で人…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】アブドゥルラーマン・アブダラ『最後の3人』(平三)  千葉県誕生150周年記念事業『百年後芸術祭~環境と欲望~内房…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る