テントウムシが害虫駆除に大貢献!安心安全な農業を

 今年1月、東金市にある千葉県立農業大学校が『飛翔制御したテントウムシ』の販売を開始した。アブラムシを捕食する飛べないテントウムシを大量に生産する技術を開発したのは、同校准教授の清水敏夫さん(46)と生徒ら7名だ。「元々は、数年前に千葉県立成田西陵高校で教員をしていた時に地域生物研究部を創部し、部員の生徒たちが、畑を耕したり農薬を撒いたりすることで大量のテントウムシが死ぬことを知り、救おうという行動から始まったんです」と話す清水さん。
 同時期、オサムシでの害虫駆除研究をしていたが、オサムシは蝶や蛾の幼虫は食べてもアブラムシは食べないことが問題だった。ハクサイの栽培中にアブラムシを食べるテントウムシを発見した清水さんらは、救ったテントウムシを活用し、農業に貢献できないか考えた。 
 テントウムシの羽は蝋でできているため撥水性に長け、寿命は1年8カ月ほど。羽に接着剤を付着させることで2カ月ほど飛翔制御が可能で、次第に接着剤は自然に取れて、テントウムシは自然界へと帰っていく。「テントウムシは肉食なので、農薬だと手の届かない葉の裏側にいるアブラムシまで食べてくれます。イチゴ農家で実証し、今では『テントウムシが育んだいちごジャム』が成田市内の直売所や空港で販売されています」と続け、笑顔を見せた。
 飛翔制御方法は2014年に特許を取得したが、問題は大量生産が難しいことだった。小さくてよく動くテントウムシの背中に、掴むことはおろか接着材を付着させるには限度があった。その後、同校に異動して研究室の生徒らと開発したのが、子ども用バドミントンのラケットに洗濯ネットを張り、網目に並んだテントウムシの羽にグル―ガンで接着剤を垂らす方法だ。
 春がくると、校内で一日千匹の捕獲も可能だというテントウムシ。だが、「遺伝子汚染の問題が懸念されるので、千葉県内でしか販売できません。地元で救ったテントウムシを地元で活用し、地元へ帰す。人畜無害の特定防除資材!」なのだとか。
 また、病害虫専攻教室の学生である板橋聖大さん?は、長芋と昆虫病原性糸状菌をテントウムシの羽に付着させる技術を清水さんと共に研究。今年1月にその技術で特許を取得した。テントウムシの体表面で糸状菌を培養しながら活動させることで、コナジラミなどの害虫が感染し、防除することができる。「テントウムシの体表面で培養させた微生物農薬は効果も通常使用より長く保てます。農家の平均年齢は65歳以上と高いので、温室の中の重労働を支える役に立てれば」と、板橋さんは話す。農薬の農業登録取得の関係で、まだ実用化はできていないが、農業の未来を支える一歩に違いないだろう。
 飛翔制御したナミテントウ『テントロール』は10匹500円で販売中。詳細は問合せを。

問合せ 千葉県立農業大学校
TEL 0475・52・5121

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