長南町大好き ファン増加中

協働交流サロン

 昨年12月、町づくりボランティア団体『協働交流サロン』主催バスツアー『長南町の魅力再発見の旅』が行われた。移住して11年目というメンバーの森山佳代さんは「長南町のファンを増やしたいと企画しました」と笑顔で話す。全国の地域づくりを取り上げる情報誌『かがり火』の発行人菅原歓一さんが町の取材時につぶやいた「なんだか長南町が好きになっちゃったなあ」との言葉に背中を押されたそうだ。
 参加者は地元住民を含む県外の移住希望者や地域づくりに関心のある20名。集合場所の長南町郷土資料館で学芸員に町の暮らしの歴史を聞いて出発。笠森観音堂をお参りして、昨年4月にオープンした展望カフェがある『野見金公園』で九十九里浜やスカイツリーが望めるという眺望を楽しんだ。

 明治初期より長南町で作られてきた郷土玩具『芝原人形 縁起物展』では素朴な干支の動物やひな人形などを鑑賞。4代目製作者の千葉惣次さんと直接話ができる時間も設けられた。千葉さんが高校生の頃から先代の故田中謙次さんの元に通ったことや後継となった経緯などを話すと、地元参加者の一人が誇らしげに「全国的にも有名な伝統工芸品」と旅先のエピソードを付け加える一幕もあった。
 昼食は長屋門のある古民家を改修した『芳泉茶寮』にて。オーナーの高橋信博さん裕子さん夫妻は外資系の金融機関に勤めた経験のある移住者。参加者は自己紹介しながら、無農薬レンコン、原木シイタケ、玄米糀の自家製味噌など長南町産尽くしの、自然と健康に気を遣った菜食料理を堪能した。食事を終え、バスに乗り込むと「味見してください」と森山さんが木更津で醸造された長南町産小麦を使った地ビールを取り出したので、一同、森山さんの長南愛に感激しつつ試飲。昼食で出た味噌汁の糀を製造販売する『藤平由治商店』では3代目藤平由之さんによる糀作りの説明を受け、温度管理された室で生きた糀の温かさに触れた。
 かつての宿場町の面影が残る商店街には江戸中期創業の国登録文化財『いせや星野薬局』、日本の裁縫教育に尽くした渡辺辰五郎生誕の地もある。買い物客用の無料駐車場にバスを止め、かつて八百屋だった古民家の再生現場を訪問。解体されそうな町の古民家を救済しようと活動するボランティア『ウルトラ古民家防衛軍』が、千本格子の障子、太い柱や梁、ケヤキの廊下などを残し、住み心地の良い家に作り替えていると説明した。

多様な人が出会う場に

 続いて訪ねたのは長南町特産のレンコンを生産する金坂哲宏さん。竹チップを使い育てた完全無農薬レンコン『金坂蓮魂』を出荷している。IT関係の仕事をしていたが、レンコン品種の主流『金澄系』を開発した亡き父親を乗り越えようと、不可能と言われた無農薬に挑戦したそうだ。ここでも地元参加者が「金坂君のレンコンは日持ちも味も良い」と絶賛し、援護。「弱火でステーキがいい」、「アルミホイルに包んでチーズと焼くと最高」と食べ方まで伝授した。
 最後に『ギャラリー参興庵』を併設する古民家を訪ねる。住民は移住36年、東京神田生まれの陶芸家鈴木重孝さん。家屋の補修改築からピザ窯まで何でも手作り。地中に埋めたロケットストーブの煙突が出す熱で足元がポカポカする工房で「工夫するのは楽しい。子育てもここで終えました」と自然とともに生きる田舎暮らしを語った。
 参加者は長南町の魅力にすっかり取りつかれた様子で「町を大切にしている人がたくさんいると知りました」、「移住者の活動ぶりに心打たれました」と大満足。森山さんは「長南町には丁寧な暮らしを自分の手で作り出している人がたくさんいます。今後も多様な人が出会う場を創り出していきたい」と、早くも次の旅を構想している。

問合せ 協働交流サロン
Chonan.kyoudou@gmail.com

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