『福祉×スポーツ』で地域に新しい風を ~ファミリークラブあかね雲×ローヴァーズスポーツパーク茂原~【茂原市】

3月25日、茂原市国府関の茂原街道沿いにフットサルコートを併設したサービス付き高齢者向け住宅『ファミリークラブあかね雲』がオープンした。フットサルコートを運営するのは元プロサッカー選手のカレン・ロバートさん。4月10日、『ローヴァーズスポーツパーク茂原』としてスタート、早くもコートは子どもたちの声であふれている。

異業種でタッグを組んで

スポーツパークとあかね雲(奥の建物)

 カレン・ロバートさんは少年時代からサッカーのトップ選手として活躍し、市立船橋高校では2002年度全国選手権優勝、ジュビロ磐田入団後2005年にはJリーグ新人王を獲得した。海外でのプレー経験も豊富で、現在は『房総ローヴァーズ木更津FC』代表としてJリーグ加盟を目指し、「房総半島をサッカーで盛り上げる」べく千葉県内で幅広く活動している。『ファミリークラブあかね雲』を経営する社会福祉法人『信和会』事務長の杉田大樹さんは大のサッカーファン。カレンさんの華々しい活躍を同年代としてずっと見てきた。その2人がサッカーの縁で知り合ったのは5年前のことだ。『信和会』がカレンさんの活動のスポンサーとなり交流が始まり、「外房エリアの子どもたちに恵まれたサッカーの練習環境を」と願う杉田さんと「サッカーで地域貢献を」と考えるカレンさんが意気投合、『ローヴァーズスポーツパーク茂原』のオープンが実現した。

サッカーで人生を豊かに

 同コートでは5歳から小学6年生を対象としたサッカースクールを火曜と木曜に開催。会費には1人親世帯や兄弟の割引制度もある。カレンさんにはスクールで学んだ子どもたちの中からプロ選手が育つことも夢だが、それ以前に子どもたちには「人間として当たり前のことを学んでほしい」という強い想いがある。「オンラインでのコミュニケーションが主流で人づきあいが希薄となった今の子どもたちに、思いやりや相手を尊重する気持ちの大切さを伝えたい」、その価値観はスタッフと常に共有しているという。個人参加フットサルは月曜~土曜の夜間と日曜午前に組まれている。5月中は特別価格の500円で90分の試合に参加できる。コートのレンタルもあり、すべてネットから予約が可能。スクールに顔を出したカレンさんが試合に参加ということもあるそうだ。
 カレンさんの活動には、引退したサッカー選手のセカンドステージのモデルケースになればとの願いも込められている。「恵まれたサッカー人生で得たものを社会に還元したい」というカレンさんの言葉には、人生のあらゆる局面で、サッカーを通していろいろな人の心を豊かにしたいという気持ちが滲んでいる。

子どもの姿に高齢者も笑顔に

『あかね雲』の共有スペースの食堂からは、フットサルコートがよく見える。施設長の高橋愛さんは「子どもたちやいろいろな世代の方がコートを訪れプレーする姿に、入居者の皆さんも元気をもらっています」と話す。多くの人が集う交流の場がすぐそばにあることで、施設も開放的な雰囲気だという。「入居者様が笑顔で元気でいらっしゃることに働き甲斐を感じます」という高橋さんは、2人の子どもの育児中。365日24時間体制の介護の現場だが、『信和会』では人生のステージに合わせて働くスタッフ同士が時間を融通し、サポートしあう体制が出来上がっている。系列の保育園もあり、休日の勤務でも安心して子どもを預けることができ、多くの女性が活躍。昼休みにはフットサルコートで体を動かし、リフレッシュすることもあるそうだ。
 全国的にも珍しい高齢者施設とスポーツ施設の融合。コロナ禍終息後を見据えて、人と人との結びつきを大切にした多世代交流イベントも考案中。カレンさんと杉田さんは、サッカーへの愛と地域活性化への熱意という共通の想いを胸に、夢を1つ1つ形にしている。『ローヴァーズスポーツパーク茂原』ではスクール生募集中、無料体験あり。『ファミリークラブあかね雲』は随時見学受付、入居者募集中。詳しくは、それぞれホームページか電話で問い合わせを。

・ローヴァーズスポーツパーク茂原 茂原市国府関1628の1
http://rovers.co.jp/

・ファミリークラブあかね雲
TEL.0475-44-5920
http://www.shinwakaigo.org/

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