まさに!バラのすべてを大解明【千葉市】

 11月28日(日)まで、千葉市中央区にある千葉県立中央博物館では特別展『バラのすべて』が開催されている。館内のメイン会場ではバラの植物学や美術史、園芸や工芸品に至るまで、あらゆる視点からの考察を紹介・展示。同館企画調整課広報担当の石井友菜さんは、「バラの自然と人文の織りなす作品たちから、多様性を感じてもらえたら嬉しいです。また、特別展に合わせて県内のバラ園3か所以上で『千葉県のバラ園探訪ガイド』にスタンプを押してからお越しいただくと、特製オールドローズのマグネットを差し上げています」と、面白い企画も紹介してくれた。
 オススメは、毎週土曜日と祝日に研究員が行うミュージアムトーク。写真などを使用して丁寧に解説してくれるため、展示物の着目点を事前に把握できる。特別展での大きな注目は2つ。ドーム兄弟『薔薇文高脚杯』とレーシッヒの『バラ彩色図譜』である。前者は大きめなガラスの工芸品で、バラの特徴である5枚の花弁が描かれている。「赤い枝と棘も印象的なドーム兄弟の作品で、フランスの野ばらです。日本には16種類の野ばらがありますが、県内には高山がないため4種類のみ。日当たりがよく水分の多い場所に生息するバラが多いですが、開花する時期は異なります」と話すのは、資料管理研究科長であり同特別展担当の御巫(みかなぎ)由紀さん。『バラ彩色図譜』は約10年前に同館に寄贈されたもので、世界に十数冊しか存在しないと思われる貴重な本である。御巫さんは、「レーシッヒは植物への関心が高く、経済学者としての立場から庶民にも広く親しんでもらおうと出版したのがこの本です。55枚すべての絵をモニターで上映しているので、ぜひご覧ください」と続けた。
 また、会場では日本でのバラの歴史も大きく取り上げている。江戸時代前からバラは栽培され、日本の絵巻物や浮世絵に登場。バラが出ている海外からの文献では幕末の植物学者である伊藤圭介も多くを学んだとか。さらに御巫さんは、「平戸で見つけた『唐枕』は藩主松浦煕(ひろむ)が使用したと思われますが、現地ではもともと描かれているのがバラではなく牡丹だとして扱われていました」という。特に野ばらは現代の人々が想像する、花弁が外に反り返るような『剣弁』の特徴が少なく、一見バラだと気づきにくい。「当時日本で存在していなかったはずの黄色いバラや、二代歌川広重が子供に文字と花を教えるための『おもちゃ絵』など、見どころ満載です!」と、御巫さんはバラへの思いを熱く語った。メイン会場の他、7日まで『バラの写真展(大作晃一)』、9日から28日まで『絵と染と陶展(流郷由紀子)』が同時開催中。毎週日曜日には講座も開設されており、申し込み方法などはWEBにて確認を。入場料は一般800円、高・大学生400円。

問合せ:千葉県立中央博物館
千葉市中央区青葉町955の2 
Tel.043・265・3111
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/

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