ふるさとビジター館 いちはら自然探訪 ~ヤドリギ~

 冬枯れの時期、ケヤキやエノキなどの大木の枝に、まるでマリモのようにこんもりと丸い形をしたものをよく目にします。木々に葉が生い茂るこれからの時期は、その存在感をすっかり忘れ去られてしまいますが、それがヤドリギです。
 ヤドリギは、その名のとおり漢字で「寄生木」と書き、主に落葉樹に寄生し、宿主である木の枝や幹に根を食い込ませ栄養や水分をもらって成長します。しかし、自らも光合成して栄養をつくりだせるので、半寄生です。
 植物の多くは土を必要としますが、逆にヤドリギは、ふつうの植物にあるような根っこがなく、土からは成長に必要な栄養分が吸収できないので、木の上でしか生きていくことができません。
 早春に黄色の花が咲き、秋に黄色の丸い実をつけます。この実の中には粘液質の果肉に包まれた種があり、鳥に食べられても粘液と種は消化されずにフンで排せつされて木の枝や幹に粘着し、そこで発芽して成長します。すごい生命力の持ち主です。
 ヤドリギは、ヨーロッパでは古くからお守りや幸運を呼ぶ木ともいわれており、花言葉は「困難に打ち勝つ」「忍耐」です。辛い時などには、ヤドリギを見てがんばりましょう。
(ナチュラリストネット/時田良洋)

 

ナチュラリストネット/自然を愛する仲間の集まりです。豊かな自然環境をいつまでも永く残したいと活動しています。 Tel.080・5183・9684(野坂)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る