キャンパスで親しむアートと文化 『MADE IN OCCUPIED JAPAN① アメリカに渡った陶製人形』7/30(土)まで開催中~城西国際大学水田美術館~【東金市】

 東金市求名の城西国際大学水田美術館は、今年で開館21年。2001年に城西国際大学開学10周年を記念し開設された。浮世絵を中心に200点余りからなる『水田コレクション』をはじめとして、房総の風景や房総ゆかりの物語が描かれた浮世絵や近代木版画、相撲絵などを収蔵する。2019年には陶磁器を中心としたオキュパイドジャパンコレクションが寄贈され、その公開の第1弾として『MADE IN OCCUPIED JAPAN① アメリカに渡った陶製人形』が7/30(土)まで開催されている。

地域に愛される美術館

鈴木春信《六玉川 井手の玉川》明和4年(1767)頃、中判錦絵 水田コレクション

 城西国際大学東金キャンパスの正門をくぐると、まっすぐに伸びるカエデの並木道。その入り口近くに立つ水田記念図書館の1階に水田美術館がある。同館は『水田コレクション展』をはじめ浮世絵関連の企画と、千葉県ゆかりの文化紹介、学部・学生との連携を3つの柱として、企画展及び講演会やギャラリートークなどを開催している。水田コレクションは学校法人城西大学の創立者・水田三喜男が収集したもので、役者絵と美人画を中心に、菱川師宣、鈴木春信、喜多川歌麿、葛飾北斎、他多数の肉筆画・版画の逸品が揃う。中でも東洲斎写楽の版画については9点を所蔵する。

 来館者は近隣からのリピーターが多い。新型コロナウィルス禍では、大学の授業がオンラインとなり大学構内への立入が制限されたため、2020年度は美術館も開館することが

「馬車と男女」1947~52年

出来なかった。そこで「いつでもどこでも水田美術館の収蔵品を楽しめるコンテンツ」として、『おうちで美術館』をホームページに開設した。『浮世絵でめぐる房総の旅』は下総編と上総・安房編の2本があり、歌川広重、二代歌川広重、五雲亭貞秀らの浮世絵によって江戸時代の風情を感じながら房総の各地を旅することができる。『5分でよむ忠臣蔵 近代日本画家が描く赤穂浪士』『15分でよむ南総里見八犬伝』では、浮世絵や版画をストーリーと共に楽しめる。同館学芸員の堀内瑞子さんは、「当館のコレクションの数々をオンラインで知っていただけるように、さらにコンテンツを制作しています。またミュージアムショップについても充実させていく計画です」と説明する。

里帰りしたOJコレクション

「青い靴のバレリーナ」1947~52年

 現在開催中の『MADE IN OCCUPIED JAPAN① アメリカに渡った陶製人形』。『MADE IN OCCUPIED JAPAN(メイド・イン・オキュパイドジャパン)』とは、『占領下の日本製』という意味で、第二次世界大戦後GHQ占領下の日本で、民間貿易が再開された1947年から1952年に輸出された商品にこの文言が刻印された。わずか5年間の期間限定アイテムとしてコレクターに根強い人気を得ている。寄贈されたオキュパイドジャパン(OJ)コレクションは、鴨川市在住の女性が40年間のアメリカ生活で収集したもので、陶製人形・テーブルウェア(食器類)・カップアンドソーサー・ソルトアンドペッパー(塩コショウ入れ)・おもちゃなどの約900点。堀内さんは「どれも愛らしくて、数が多いながらも1つ1つの梱包を解く作業は楽しいものでした」と話す。

「虫と妖精」1947~52年

 今回の展覧会では陶製人形にスポットライトを当て、約180点を展示している。華やかなロココスタイルの衣装をまとった男女・動物とたわむれ遊ぶ子どもたち・可愛らしい天使や茶目っ気たっぷりの妖精など。広くアメリカの一般家庭で親しまれていた人形たちが、長い時を経てなお変わらない温もりを感じさせる。「物資の乏しい時代に、これだけのものをアメリカに輸出していた日本人の生産力の高さとたくましさを感じていただけたらと思います。戦後の貿易再建を支え、およそ70年ぶりに日本に帰ってきたOJコレクションを是非お楽しみください」と堀内さん。OJコレクションは、今後カップアンドソーサーやソルトアンドペッパーなどカテゴリー別に順次公開予定。同展は入場無料。開館:10時~16時 休館日:日曜・月曜 詳しくは問合せを。

 

●2022年の展覧会の予定
・近代日本画コレクション 茂原の素封家と画家との交流:9/27(火)~10/22(土)
・水田コレクション展 四季の風物詩:11/5(土)~11/26(土)
・スウェーデンのパパたち(写真展) 12/13(火)~12/21(水)

 

問合せ:城西国際大学水田美術館
Tel.0475・53・2562
https://www.jiu.ac.jp/museum/

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