新しい価値を創造し続ける街 青葉台町会協議会 39PJ~ 会長 古寺純爾さん、事務局長 田中功夫さん~【市原市】

 JR内房線姉ケ崎駅から南東へおよそ3㎞、約3200世帯9400人が暮らす市原市青葉台地区。高齢化が進む中、地域活性化を目指す『39PJ(サンキュープロジェクト)』が、2019年9月に地域住民の中から立ち上がった。昨年には、始動以来重ねてきた活動が『令和3年度あしたのまち・くらしづくり活動賞』で『内閣総理大臣賞』を受賞。市外県外からの視察、講演依頼など全国から注目される青葉台のまちづくりを、青葉台町会協議会メンバーに聞いた。

39PJ誕生のきっかけと活動状況

 2018年、市原市・夢ホールで『いちはらの未来を考える地域円卓会議』が『10年後の団地の姿から地域づくりを考える』をテーマに開催された。ここに参加したのが事務局長の田中功夫さん。今のままでは10年後、青葉台全世帯の4分の1が空き家となる現状を知り、地域活性化プロジェクトを立ち上げようと思い立った。町会長会議に諮り、全3200世帯にアンケートしたところ、回収率65%。同時に地域課題に対する声も聞き、2019年~2020年、対策を考えるワークショップを開催。中高生14名を含む39名の参加者があった。この当初の参加人数、そして青葉台の先人・住人・すべての方に感謝を込めた計画は、39PJと命名された。2020年4月には議題解決策の検討チームが発足。地域課題を6分野28課題に分け、現在14チームが各担当分野で月に1回以上活動している。

3200世帯アンケート結果をもとに課題抽出ワークショップ

 分野1は『高齢になっても永く住み続けられる街づくり』。買い物・外出困難者対応等を担当。分野2 は『災害や犯罪に強い街づくり』。地区防災計画を策定。分野3は『美しい街づくり』。空家空地の有効活用、通りの並木の根元に花壇をつくるohana(お花)いっぱい活動を推進。分野4は『子育てのしやすい街づくり』。子供を安心して預けられる場所づくりを担当。分野5は『活気ある街づくり』。イベントの統廃合(盆踊りの活性化)、商店街の空き店舗活用事業だ。分野6は『10年後も20年後も価値が棄損されない街づくり』。HP・アプリの開発、自治会機能の減退防止策を検討している。プロジェクトの遂行によりまちの再生への機運が高まり、自分たちがやるという住民の意識向上など、成果が徐々に挙がっている。各チームの参加者は現在約300名だ。

 古寺純爾(じゅんじ)会長は、内閣総理大臣賞の受賞レポートを作成した田中事務局長について、「道筋をつけるのが上手く、実行力もあり人を引き込むのが上手い」と紹介する。一例として、フレイル予防・改善実証事業では、大崎リーダーと共に市原市・東京大学大学院と連携。モデル地区となり約20名の希望者が、無償で健康的な食事の配布を受け、専門家の指導で運動を実践した。高齢者の移動問題に向き合った電動カート試乗会では、高柴リーダーを中心としたメンバーを支援し、125名の住民が試乗。便利さ・簡単さを実感し自動車免許自主返納率のアップに繋げた。また、浅野リーダーのohanaいっぱい活動では、共に協力して花壇づくりの機会を地域の一般親子にも提供。美しい自然に共に触れる家族の時間も産んだ。地元のスーパーとの連携では、内閣総理大臣賞受賞記念バーゲンセールを実現。イベントの統廃合・活性化、盆踊りの活性化では、山下リーダーと共に、青葉台小を中心に集約した「青葉台フェスティバル案」を企画。コロナで中止になったが同スーパー駐車場でのビアガーデン、青葉台中央通りの歩行者天国も含まれる。ゾーン30プラスでは森垣リーダーとヒヤリハットのアンケートから実施・解析に協力。HPの開設では、他町会の実情調査で協力し、ITに強い藪木リーダーの努力もあり昨年10月に開設し、内容も充実してきている。田中さんを中心に皆で議論をしているうちに自然と纏まり、古寺さんはじめプロジェクトメンバー、各チームの担当者、協力者、参加者らが盛り上げたそうだ。

青葉ノアールを拠点に次世代の青葉台へ

福祉タウン構想の施策(電動カート試乗会)

 39PJの内閣総理大臣賞受賞では、『地域全体で高齢化や空地・空家化など危機感を共有し、小中高校生も企画から参加、未来志向で主体的なまちづくりは他の先進事例になる取り組み』と評された。しかし、古寺さんも田中さんも「大変光栄でしたが、受賞がゴールではありません。集まる視線に恥じないまちづくりを続けていきたい」と意気込む。青葉台町会協議会全体の防災委員長を務める早崎さんは「この地域は崖や川がないので、大切なのは地震対策。細かな5カ年計画を練っていますが、役員が1~2 年で変わるため、経験者が任期満了後も残って支えてくれています。すごく有り難く頼もしいです」と話す。広報を担当し、若手ホープと期待される浜中さんは「中高生の皆さんが新しいまちは自分たちが創るんだという前向きな意識で意見を出し、その声を取り入れられる仕組みを先輩方が作っているところがいいなと思います。数々の取り組みをsNsで、各世代に発信していきたいです」と語る。商店街活性化チームの井前リーダーも熱心に青葉台を盛り上げる。

 この10月8日(土)には、受賞の認知を高め、大勢の参加によって活動を持続させるため『あしたのまち・くらしづくり内閣総理大臣賞受賞1周年記念青葉台フェスタ』の開催も予定。午前は自治会館での39PJの説明、青葉台音頭お披露目、午後は青葉台中央公園で敬愛学園高校の大道芸、市原山火太鼓等の演舞、スタンプラリークイズ抽選会、ビンゴゲームなどが行われる(雨天中止・詳細は、いちはら青葉台HP)。

ohanaいっぱい活動で植えられた満開のポーチュラカ

 プロジェクトの活動拠点はカフェ『青葉ノアール』。カフェやランチの営業、イベントや定例会の会場、随時の打合せの場になっている。「元は鰻屋さんで、ご好意で無償で借り受け、3か月をかけ、手弁当で土台からの大改修をしました。姉崎高校美術部さんがシャッターに素晴らしい絵を描いてくれました。ここから新しい商店街を作っていきたいんです」と古寺さん。田中さんは「10年後、20年後、その時の価値観でまちづくりを考え続けてほしい。新しい価値を創造し続ける街。それは我々の願いであり、プロジェクトのキャッチフレーズになっています」と話す。まちづくりに情熱を燃やすメンバーたちは、自治会運営についてさらに見聞を広めるため山形県川西町への視察も予定している。古寺さんは最後に「まちづくりには『燃える人』が必要です」と笑顔を見せた。

 

問合せ:いちはら青葉台HP
https://inward.aoba39.com/

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