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若い世代へバトンを渡す使命を胸に~若宮団地まちづくり協議会~【市原市】

【写真】企画したイベントのひとつ「星空ハッピーアワー」

 8月30日㈰、市原市若宮にある若宮団地連合自治会館では、月に一度開催される『わっかみ~やCafe』に参加する住民の大きな笑い声で賑わっていた。主催する若宮団地まちづくり協議会の会長である岩澤直美さんは、「私たちは若宮団地連合自治会の下部組織として運営しています。現在は30~80代の運営委員28名のほか、活動をお手伝いをしてくださるサポーターの方々で構成されています。かつては団地の中で生活のすべてが揃い、賑わっていましたが、年々人口が減っていくことに危機感を募らせました。そして、2014年に『まちづくりプロジェクト』を始動し、ワークショップを重ねながら試行錯誤を続けてきました。最近ようやく、手探りながら種をまき続けてきたことが芽を出してきたと感じています」と、笑顔を見せる。昨年度には内閣府が視察にも訪れたという、未来に向けて新たな取り組みに挑戦し続ける同協議会のまちづくりの魅力に迫った。

歴史を紐解く

 団地のまちづくりの課題は、3つある。まず、空き家対策。少子高齢化による人口減少や相続問題を背景に空き家が増加し、地域の安全や衛生、景観に影響を及ぼすことが懸念されている。「最近は、空き家の未然防止に力を入れています。先日は、市の職員の方を講師に招き、市原市版エンディングノートの書き方講座を開催しました。家のその後について考えるきっかけを作ることで、空き家の防止につながれば」と話すのは、同協議会の事務局長 牛田真理子さんだ。
 次に移動手段だ。最寄りのJR駅までは徒歩約25分。それに高齢者にとって徒歩でスーパーや病院に行くことは辛いのに、年々バスは減便・廃線となっていく。そんな中、昨年度は日本大学の協力のもと、市原市初のグリーンスローモビリティ(通称グリスロ)の実証実験が若宮団地で実施された。「時速20キロで走る小型の電気自動車には窓がなく、とても開放的。参加した住民の方々からも大好評でした」と話す、岩澤さん。「実験前は、団地内のみ走行すると聞いて、駅やスーパーまで行けないのかと残念に思っていたのですが、大間違い! 乗り合わせた人とお喋りして笑いながら、とっても気持ちよく移動できました」と、牛田さんも笑顔で続けた。グリスロは単なる移動手段としてだけでなく、コミュニケーションツールとしても注目されている。「楽しいからと遠回りして目的地まで行く方もいました。また、この取り組みによって、団地内の病院に行くために介護タクシーを利用する方が、少なからずいることにも気づけました。市原市と協議しながら、この取り組みを次のステージに進めていけたら」と、牛田さんは展望を語った。

写真左:『グリスロ』の実証実験
写真右:牛田さん(左)と岩澤さん

 最後が、地域の『拠点』としての在り方だ。団地には、同時期に入居した団塊の世代が多く、かつてはPTAや各町会、子ども会の活動が盛んに行われていた。最盛期には各町会で運動会ができるほどの賑わいを見せていたが、今では高齢化や人口減少を理由にできないことが増えてきた。「このまま空き家が増え続けると防犯上でも大きな問題となります。その対策としても、人と人とのつながりを育んでいくことが重要です」と訴える、岩澤さん。同協議会では、前出の『わっかみ~やCafe』のほか、若宮中央公園でのイルミネーションなど、世代を超えた交流を促進すべく野外イベントを企画している。「昨年末、初めて公園にイルミネーションを飾って、ホットワインを配ったのですが、若いご夫婦が立ち寄ってくださり、普段はお会いできない方とお話する良い機会になりました」と、牛田さん。10月末には同公園でハロウィンイベント『わっかみ~やマルシェ』を行う予定。

令和6年の『わっかみ〜やマルシェ』

未来の若宮団地は

 住民によるまちづくりに見えた光は明るい。しかし、岩澤さんは、「限られた予算の中での活動は常にアンテナを張って、協力者のお力を借りて、できることは何でも自分たちでやっていかないとなりません。竹あかりを作るイベントの竹を、ツテを頼りに自分たちで取りに行くこともあります。でも、その苦労すらみんなで楽しみ、絆を深めていくことが大切だと考えています」と、強く語った。まちづくり活動の成果はすぐには出にくいもの。だが、Cafeに参加した住民は、「よく来ます。ここで話すのが楽しいです」と笑顔を見せる。同協議会は昨年度、雑草で覆われていた道路脇に花壇やベンチを設置するプロムナード整備活動の表彰を受けた。「これからも、様々な世代を巻き込みながら色々なアイディアを出し合って、みんなが住み続けたいと思ってもらえる街を作っていきたいです」と、岩澤さん・牛田さんの二人は最後に声を揃えた。   

問合せ:岩澤さん
Tel.0436・42・3099
mail:wakamiyamachidukuri@gmail.com

『わっかみ~やCafe』