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ふるさとビジター館 自然探訪~困った存在 アライグマ~

 アライグマが全国的に野生化し、増えているというニュースを聞く。以前紹介したキョンのように大きな声で鳴くわけではないため、その存在には気がつきにくいので実感はあまりないが、どうやら大変なことになっているようだ。
 アライグマの姿はタヌキに似ているが、特徴的な尾の輪模様で見分けられる。指が長く、器用に前足で物をつかむことができる。前足を水に突っ込んで餌を捕ったり探したりする仕草が、物を洗っているように見えるのでアライグマと名付けられたようだ。
 本来の生息域はカナダ南部からパナマの北中米なので、元々日本にはいない。日本での野生化の引き金は、1970年代後半に放送されたTVアニメ「あらいぐまラスカル」。アニメが大ヒットした影響と、見た目が可愛いためかペットブームになり、大量に輸入された。しかし、成長すると狂暴性が現れ、一般家庭での飼育が困難になり、多くが野外に捨てられた。そして日本の自然環境に順応し、繁殖・増加してしまった。結果、スイカやトウモロコシなどの農業被害、在来種の生態系への影響など引き起こすこととなった。
 私が市原市内に仕掛けたトレイルカメラにも頻繁に映り込んでおり、中には絶滅危惧種のトウキョウサンショウウオの卵塊を捕食していると思われる映像も記録された。これ以上の被害は避けたいところである。こうしたことで特定外来生物に指定、駆除の対象とされている。千葉県内の推定生息数は1万5000頭近く(千葉県調べ)で、本年3月に県から「第3次アライグマ防除実施計画」が出され、現状把握と駆除の方針が示された。
 すっかり悪者になっているが、彼らは元々人間の都合で持ち込まれ、飼育放棄で捨てられて、得られた自然の中で生きているだけ。アライグマに限らずペットを飼育する際は、途中放棄して野外に放すことなく、最後まで責任をもってほしいものだ。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)

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