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市民協働の時代 これからの地域づくりへのヒント
- 2015/2/20
- シティライフ掲載記事, 市原版

1月30日、市原市市民会館にて『「つながっ得」みんなが主役の地域づくり~協働によるまちづくりのために~』(協働のいちはら・まちづくり会議、(社)市原市社会福祉協議会主催)が開催された。『実践に学ぼう!これからの地域づくりへのヒント-市民協働への扉をひらく-』と題して講演をしたのは高崎経済大学教授櫻井常矢(つねや)さん。全国各地で地域コミュニティ再生や自治体の経営改革に取り組んできた具体的手法についてユーモアを交えて語った。
櫻井さんは「地域づくりはどれだけふるさとを愛しているかが出発点」と福島の被災者から託された「ふるさとを失って、当たり前の暮らしがどれだけ大切だったかを知った。自分たちの地域を大切にしてほしい」という言葉を伝えた。人口減少は日本全体の問題。過疎、高齢化など地域の課題はますます多様化・深刻化する。「今まで通りのやり方は通用しない」と危機感を訴えると同時に、連携・協働の必要性を強調する。
地域の課題を解決するには行政だけ、自治会だけ、市民団体だけなど自分たちだけでは対応できない。「被災地で真っ先に支援物資が届いたのは、自分たちの課題解決のため外とのつながりを持ってきた地域コミュニティだった」と例をあげた。「連携・協働するために、まずは自分たちに『できること』と『できないこと』を見極めてから外部とつながることが大切。町会の役員のなり手がいないのならば、他団体と連携・協働する前に例えば役の数を減らす、同じような活動を絞り込むなどの工夫が先」だという。
その地域にとって本当に必要なもの(課題)を見つけるには、老若男女、地元出身者、転入者など多様な人たちと「話し合いの過程を丁寧に歩んで」と何度も繰り返す。
イベントや事業を立ち上げることは目的ではなく、イベントや事業までの企画、立案、決定までに話し合うプロセスを重ねること。そのプロセスが人を育てるという。また、「『会議』と『話し合い』は異なる。話し合いは自由にものが言える場であり、勇気ある発言を許す場でもある。自分が言った言葉が形になり地域の取り組みになると、人は周囲に認められたことを実感しさらに頑張ろうとする」と語った。
後半のパネルディスカッション『地域力を高めるために』では櫻井さんをコーディネーター役に、パネリストは前千葉県副知事、元新町(しんちょう)町会長石渡哲彦さん、傾聴の会『ひだまり』代表高橋紀三郎さん、NPO法人いちはら子育て応援団代表理事田上聖子さんが各団体の活動や課題などについて話し合った。会場からの「負担を軽減するためPTAで役員の数を増やしたら、退会者が増えた」との質問には「まず何のためのPTAなのかを皆で確認する話し合いからはじめたら」との答え。櫻井さんは「連携・協働のためには、自分たちの活動の目的や理念をきちんと作る、発信するなども重要」、「壇上の3人はこのイベントをきっかけにつながった。つながるためには行政、大学などのつなぎ役も必要。これからの市原市の地域づくりに期待したい」と締めくくった。
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