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草丈なんと4メートル セイコノヨシ

 今の時期、川の土手やその近くに、背丈ほどに伸びたアシやススキより高く飛び出た茎の先端に花が咲いていれば、それはセイコノヨシ(西湖の葦)かもしれない。
 西湖とは中国の湖の名前。斜め上に突きあげるような葉の形が特徴。葉先が垂れ下がるヨシとは形が異なるので、何となく違う種類と感じている方は多いが、名前まで知っている人は少ない、と云うかほとんどいない。
 イネ科ヨシ属の多年草で、丈が4メートルにもなることから別名セイタカヨシ。夏に入ってから草刈りを行ったところのものでも2メートルぐらいに育つ。花序の長さ3070センチ、花序の先端までなら5メートル近くになるものもある。花軸から放射状に出た枝に長さ58ミリの小穂が密につく。紫色の小穂はやがて灰褐色になる。葉の長さ4070センチ、幅24センチ。
 おもに根茎によって繁殖し、地中をはって広がり根茎は長い。春に芽吹き、1年目の秋には直立した茎の頂部に花が咲く。茎の径12センチ、断面は円形で中空。2年目の春に節目から枝を伸ばす。その頃には茎が木化して竹と見紛う形になる。2年目の秋、枝に花は咲かない。2年目のセイコノヨシが竹と大きく異なるのは2点。頂部に残る枯れた花序と茎の断面。
 ヨシズの両端の太いところには、節目が滑らかで丸いセイコノヨシが使われる。お持ちの方は確かめてみるといい。竹と見られがちだがよく見れば少し異なる。身近な所で利用されている野草なのだ。市原の自然は豊かで素晴らしい、いつまでも大切に残したい。

(ナチュラリストネット/野坂伸一郎)


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