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あなたの「ほっとけない」が社会を動かす
- 2017/8/4
- シティライフ掲載記事, 市原版

写真上 牧野昌子さん
今春、市原市民会館会議棟にて市原市、市教育委員会、市社会福祉協議会主催『この指とまれ 市民活動はじめの一歩?市民が活躍するまちへ?』が開かれ、65人が参加した。『市民活動へのはじめの一歩』と題した基調講演を行ったのは認定NPO法人ちば市民活動・市民事業サポートクラブ(NPOクラブ)代表理事牧野昌子さん。「今の当たり前は誰かのほっとけないからはじまっている」と話す。
市民活動とは誰かが地域の課題に気付き「何とかしなきゃ」と当事者、共感者、支援者らが集まり解決しようと活動すること。ボランティアとはその活動をする個人のことだ。地域の社会課題が社会全体に広まれば、国や自治体の政策課題となり、新しい社会サービスを生み出すことができる。例えば「子ども食堂は10年前にはなかったが、貧困家庭の子どもたちを助けようと全国に広がり、行政も動かした」という。
市民活動団体でよく聞くのは人材不足。「団体の運営に一番大事なのは目的。何をどんな方法で解決するのかを提示し、共感を得られれば人が増える」。募集をする場合、「誰でもいいからではなく、これをする人、これが得意な人が欲しい。あなたに来てほしいと呼びかけ、目当ての人がいそうなところに情報を流すのが効果的」
資金がないからボランティアという発想ではなく、「ボランティアにやりがいと生きがいという価値を提供してほしい」と話す。新たな人材を得ることは、その人にとっては新しい気づき、学び、出会いの場、団体にとっては異なる視点、客観的な意見が増え、活動への理解を地域につなげる人を得ることになる。さらに団体には人を育てあう力、他団体とつながる力、事業を起こす力、会議を運営する力、資金調達する力が必要。「分野やエリアごとに団体同士で連携し、多様な団体が多様な切り口でお金にかえられない新しい豊かさを作ってほしい」と参加者を励ます。
NPOクラブは、市民活動団体の設立やマネジメントなどを相談支援する団体。資金を助成する財団もある。身近なところでは内田未来楽校が(公財)ちばのWA地域づくり基金の助成プログラムの助成を受けたり、景観まちづくりフォーラムの開催地となったりしている。「ぜひ活用してほしい」とのこと。
後半は児童生徒の学習を助ける『まなび舎こすもす』、環境整備を行う『いちはら里山クラブ』、『おもちゃ病院市原』、高齢者や障がい者の手助けをする『市原送迎ボランティアの会』、読み聞かせをする『かけはしの会』の代表者が事例発表した。その後、参加者はグループに分かれ話し合った。
「障がい者の支援者を増やしたい」、「市内の歌声サークルを連携させたい」など参加者の半数以上はボランティア体験者。代表者との熱心なやり取りを通じ、「同じボランティアとして悩みを共有できた」という男性や「団体に入会したい」という女性もいた。
問合せ 社会福祉協議会
TEL 0436・20・3100
問合せ NPOクラブ
TEL 043・303・1688