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亀山湖と濃溝の滝へ 大人の遠足
- 2018/2/2
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茂原市レクリエーション協会
洞窟に差し込む朝日が水に映りハート型になる神秘的な風景がSNSで広まり、脚光を浴びた君津市笹の『濃溝の滝』。洞窟の下を流れる滝にカメのような岩があることから地元では『亀岩の洞窟』とも呼んでいる。笹川湖片倉ダムのために整備された5公園の一つにあり、市では名称を清水渓流広場(濃溝の滝・亀岩の洞窟)としている。
昨年11月、茂原市レクリエーション協会主催で『晩秋の亀山湖と濃溝の滝ハイキング』が行われた。茂原市中央公民館前から大型バスに乗り込んだ参加者は、協会員、国際武道大学体育学科から出席した4年生3人を含めると52人。車内ではクイズやゲームを楽しみ、亀山湖の草川原地区湖畔公園で下車をした。
準備体操と『もみじ』や『ふるさと』などの合唱で遠足気分を盛り上げ、黄金に色づくメタセコイアのある公園を出て、会長の山口律さんを先頭に歩き始める。快晴の空の下、県道465号を西へ。「まだリンドウが咲いている」、「旅は天気・元気・現金が大事」などとおしゃべりをしながら、押込方面の林道を歩く。障子竹橋を渡ると遠く湖の中に赤い鳥居が見える。「あのあたりで昼食です」との声に励まされ足取りは軽い。押切沢橋を渡ると亀山水天宮前。月毛地区湖畔公園で鳥居を入れて記念撮影後、昼食となる。子どもが小さい頃からの付き合いという元ママ友グループは「子どもが大きくなったので口と足の運動を一緒にしています」と楽しそうにお弁当を広げていた。
午後は時折通る車をよけ、白い欄干の押込橋を渡り、豊田大橋に至る。成田山上総寺付近を右にはいり、亀山オータムフェスティバル開催会場に到着。自然薯、山野草、銀杏の詰め放題など地元農産品販売の仮設テントを一巡すると、人だかりの奥で猿回しの一団が芸を披露していた。
会場からバスに乗り、参加者が「楽しみにしていた」という濃溝の滝へ向かう。降りた駐車場は、紅葉のトップシーズンとあって観光バスや県内外からの自家用車が次から次に入ってくる。小櫃川支流笹川脇の台地状の雑木林に中に遊歩道がある。観光客の多さに驚きながらも道標に沿って道を進むと柵に突き当たり、細長い滝に出会う。案内板には『まぼろしの滝(セイナザの滝)』とあり、下流の柵から見下ろしたところにはサンズイのない『農溝の滝』があると書かれている。川底にはハート型の穴も見える。「昭和20年代まで水車小屋(米挽き小屋)があった」そうだ。観光客を連れたバスガイドの「まぼろしの滝は雨が降ったあとにしか見られません。良かったですね」と説明する声が聞こえた。
目的地はもう少し上流。平成23年に設置された幸運の鐘付近から、下方に洞窟が見える。階段を下りて川岸へ。足元に気を付け、ぬかるんだ岸を数メートル歩くと話題になった洞窟が撮影された場所に立てる。「テレビより迫力がある」、「本当にジブリの世界ね」と人込みの中にあっても存在感を放つ幻想的な景色を前にして参加者も満足した様子だった。
この洞窟は人工物である。U字型に蛇行した川の付け根の岩肌をくり抜いて川筋を短くし、せき止めた元の川を田んぼにする『川廻し』の工法で作られたトンネル。小櫃川水系では江戸時代の万治年間(1660年頃)から広まったらしい。ライオンズクラブの案内板は「全国でも限られた地域でしか見ることができない独特の景観」、「土地の地質や環境を生かして、自然と人が共生してきたことを今に伝える土木遺産」とその歴史的価値を伝える。滝は川の上流と下流の高低差があるとできるそうだ。そのまま人の流れに沿って、木道を歩く。かつての川底で水田だった場所である。紅葉したモミジ、ホタルの生息地を過ぎて駐車場に戻った。
看護師、緊急用の自家用車も同行する、至れり尽くせりの秋のハイキングで、参加者のなかには「毎年楽しみ」、「10回は参加した」というリピーターや紅葉目当ての写真愛好家もいる。山口さんは「毎年、11月末から12月初めの紅葉の季節に開催し、今回で15回目。以前は県外に行きましたが、近隣の素晴らしさを知ってもらいたいと最近は養老渓谷、大福山、三石山などに出かけています。協会では市民の笑顔と健康づくりのためウォークラリー大会なども開催しています」と話した。
問合せ 早野さん
TEL/FAX 0475・24・0269