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第6回ハートフルフェスタ ワークライフバランスが当たり前の社会に
- 2016/3/25
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経済評論家 勝間 和代 さん 講演会
テレビ番組に出演するときと同じような早い口調で「茂原市で安くて新鮮な食材を手に入れバーベキューをしたり、イチゴ狩りを楽しんだりしています。イチゴは50個食べられますね」と話し始めたのは経済評論家で内閣府男女共同参画会議議員の勝間和代さん(47)。海外からの訪問客や『勝間塾』の合宿のため、東京から1時間ほどで来られる茂原市に家を借りている。「1カ月のうち3、4日を過ごすので、1割は千葉県民です」
1月23日、男女ともに活躍できる社会を目指す第6回ハートフルフェスタ(茂原市男女共同参画大会)『男女ともにより短時間労働で楽しく暮らす方法を考える』が茂原市民会館にて開催された。主催は茂原市と同市ハートフルフェスタ実行委員会。講師の勝間さんは「男性の働き方を変えずに女性を優遇しても女性は活躍できません。男女ともに短時間労働に変えれば男女共同参画は進みます」とわかりやすく解き明かした。
日本は他の国々に比べ国民の幸福度が低い。勝間さんは「特に男性の幸福度が低いのは働き過ぎにあります」と話す。男性は働かないと出世競争に負け、給料が上がらない。女性も自分を養ってくれる男性を求めている。若い女性が結婚相手に望むのは高収入。ところが、年収600万円の25~35歳の適齢期の男性は4パーセントしかいない。「これでは結婚できませんよね」と数字をあげて解説する。また、法的に優遇される年収制限があるため、女性は働く時間を調整し、出世したがらない。「女性が働かず、男性が長時間働くと幸せになる仕組みはやめないと」とつけ加える。
日本のジェンダーギャップ指数は世界101位(2015年)。政治家、会社経営トップなど指導的立場にいる女性は少ない。当事者がいなければ、問題は解決しない。「女性比率が高い会社は業績が高い。企業の意思決定層にユーザー層と同じ性別の人がいれば商品は売れます」と企業のメリットもあげる。「同性だけの組織より、異性が3割入ると組織が活性化する。同性だけより男女混合のグループのほうが問題解決能力は高いというNASAの実験結果があります」
政府が女性活躍を促すのはなぜか。「長生きする女性の方が男性より年金、医療費がかかるという裏事情もある。年金、健康保険料、税金を払う働く女性が増えれば、国は財政破たんを免れ、国内総生産(GDP)があがります」。このまま少子高齢化が進むと日本経済は衰退する。活性化するためには移民を増やすか男女共同参画を進めるかしかない。
さらに「少子化対策と男女共同参画は表裏一体」とテンポよく語る。働く女性が子育てをしやすければ、人口は増える。流山市では保育園政策に力を入れ、年収の高い共働き世代を呼び込んでいる。「子どもを駅に連れて行くとバスが各保育園への送迎をするシステムを国の補助金を使い導入している」などの実例を示した。子育てには時間とお金がかかる。夫婦二人で働き、所得を増やすとともに、男女で仕事を分け合い、労働時間を短くすれば少子化は減速するという。日本人の時間当たりの労働生産性は低い。「仕事を上位2割に集約し、あとの8割を断舎利すれば労働生産性はあがります」ときっぱり。30代の頃は家事や子育てを母親に任せ男性並みに働き、疲れ切ったという勝間さんが実践する現在の労働時間は「1日5~6時間」
お手本となる北欧諸国の事例をあげ、「経済の鈍化、少子高齢化、年金、財政の立て直しの特効薬は時短と男女共同参画につきます」と勝間さんは続ける。「それには市民一人ひとりが自分の問題と捉え、努力していかなければならない。長時間労働に罪悪を感じ、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)、男女共同参画が当たり前の社会にしていきましょう」と聴衆に訴えた。最後に話したのは『三毒追放』。「怒らない、妬まない、愚痴らないを実行すれば、自分で問題解決をするしかなくなります。3日間やってみて、調子が良ければもう少し続けて」と締めくくった。
尚、公募した市民が運営する茂原市ハートフルフェスタ実行委員会(委員長中山清志さん)は講演会のほか、毎月第4月曜日、市役所にて気軽におしゃべりをして交流できる『コスモスサロン』を開いている。
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