深めよう防災意識と人の絆 ~白金防災トランプ~
- 2013/2/1
- 市原版
2011年に起きた東日本大震災以降、各地で防災への意識は高まっている。「ぐらぐらと/揺れたらすぐに/机の下」、「緊急時/大切なのは/近所の輪」、「避難場所/白金小だよ/忘れずに!」市原市君塚にある市立白金小学校(児童数382人)が製作した『白金防災トランプ』の一編。県教委の『命の大切さを考える防災教育推進事業』平成24年度指定校に選ばれた同校は地域と合同で防災訓練を行うなど、同教育へ積極的に取り組んでおり、その一環として防災トランプを製作。昨年11月に同小の約300家庭と市内小学校に配布した。防災に関する標語を家庭で考えてもらい、カードの中央部分に書き込んだものを名刺作成用紙に印刷した手作り品である。
スペード、ダイヤ、クラブ、ハートのマークごとにそれぞれ「地震」、「その他災害・情報活用」、「助け合い」、「準備・心がけ」とテーマを分け、職員の作品で補いながらバランスを考えて編集。6年生が描いたイラストや写真も添えられている。ケースの中には非常時の身の守り方をゲーム化した「防災アクション!」など、オリジナルゲームのやり方などが書かれた説明書が入っている。その裏面には作者児童名が記された標語一覧もあり、それを読めばカルタ遊びもできる。「トランプの方が活用する頻度が高い。標語を作って終わりにしたくなかった。みんなで共有し、繰り返し使うことによって防災に関する知識や行動を定着させることがねらい」また、「家庭で親子で話し合いながら標語を作るというプロセスが大事。家族の会話が増える一助になれば」と土田雄一校長(55)。
子どもの頃からトランプが好きだった土田さんは、トランプを活用した教育研究にも力を入れており、編著の『こころを育てる創作トランプ』(図書文化)では様々な創作トランプの作り方を紹介している。家族への思いを綴った『家族川柳トランプ』、人とかかわる力を育てるための『ソーシャルスキルトランプ』など。「『家族川柳トランプ』は「よいことだけではなく、ぐちっぽい話も笑って話せるところがいい」そうだ。
「トランプ(Playing Card)は世界共通の玩具。画面相手のゲームではなく直接人と関わることで、笑ったり悔しい思いをしたりしながら人間関係を作っていくことに役立つ。ルールを学ぶこともできるし、工夫次第でいろいろな遊び方ができる。ぜひそのよさを知ってもらいたい」と土田さん。
標語を考えることで防災への意識が高まり、トランプで遊ぶことで家族のコミュニケーションも深まるという、まさに一石二鳥の『白金防災トランプ』。あなたもオリジナルの創作トランプ、作ってみては?