塩こうじの実力

塩こうじの実力

 戸田コミュニティセンター主催事業『塩こうじエトセトラ』で「麹にはさまざまな健康効果がある」と話したのは赤石匠司さん(32)。4月17日、同館調理室にて参加者16名を前に講師として麹の健康パワーについて解説し、塩麹作りを指導した。麹は麹菌の作る酵素があり、食品の成分を分解し、消化吸収を助ける。ビタミンB群も多く、代謝をよくし免疫力を高めるので、生活習慣病の予防、疲労回復、腸内環境を整えるのに役立つ。抗酸化作用のある麹酸を含み、老化防止も期待できるそうだ。赤石さんが「皮膚の新陳代謝を高め、シミなどの原因物質を抑える働きもある」と美容効果を話すと頷く女性もいた。
 塩麹の材料は生麹500グラム、天塩150グラム、水500cc。麹をビニール袋に入れ手でほぐし、天塩を加えて万遍なく混ぜる。深めの容器に移し、水を注いだあとすぐに混ぜるのがポイント。塩が溶けるように大きなスプーンでかき回すと麹は水分を含んで重くなり、「腕が疲れる」と話す人もいた。「翌日はもっと固くなるが、水を足さないで」とのこと。家で1日1回かき混ぜると、夏は1週間、冬は2週間ほどで熟成し出来上がり。冷蔵庫で半年ほど保存できる。塩分は13%。乾燥麹で作るときは分量が異なる。
 塩麹は塩のかわりになる万能調味料。食材を漬けると柔らかくなり、旨味が増す。漬ける時は肉、魚は容量の1割、野菜は1割弱を使うのが目安。調理には塩の分量の2、3倍を入れる。しかし、塩分量は塩の4割弱にしかならないそうだ。ご飯を炊く時に大さじ1杯入れると味に深みが出るし、ドレッシングに使ってもおいしい。煮物に入れるとコクがでるそうで赤石さんのお薦めは肉じゃが。同じ調理台を囲んだ参加者たちは「サーモンを漬ける」、「炒め物にいれる」など情報交換し、赤石さんが前日に漬けた野菜を試食して「食べやすい」、「まろやかな味」と感想を述べあった。「麹のことは何でも聞いて欲しいが、お料理はよろしく」と笑って赤石さんが取り出したのはキャベツと塩麹。参加者は馴れた様子で浅漬け作りにとりかかった。発酵調味料への関心は高く、調理中も甘麹の作り方や保存法など質問が次から次へ。夏バテ防止になるという甘酒を作る適温は55度から60度。「炊飯器を使った保温は高温に注意」とのお話もあった。最後に一晩塩麹に漬けた鶏胸肉と塩コショウで味付けをした鶏胸肉を焼いて食べくらべると「優しい味」、「柔らかい」と前者に軍配があがった。唯一の男性参加者は「簡単な調理法でおいしくなる。ぜひ使ってみたい」と話した。
 赤石さんは大学院で発酵食品について研究し、南岩崎にある赤石味噌糀店を営む。曽祖父の代から麹屋だが、時代の流れで自家製味噌をつくる家が減り、父親の代からは味噌も醸造する。「保存期間は短いが今日作ったものが完成するまで使って」と試作品の減塩塩麹を配ると参加者は「早速試せる」と嬉しそうに手を伸ばした。

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