季節のスケッチ

季節のスケッチ
俳画と文 松下佳紀

「ほら、そこに冬苺」と散歩仲間に知らせたのは軽い山歩きをしていた時だ。「冬苺?苺?」と彼は私の指す所を見た。そこには一センチ大の赤い実が濃い緑の葉陰に光っていた。「へえ、甘ずっぱくて旨いや、この年まで知らなかったなあ」。七十歳の彼は口に何個か含みながら言った。ほぼ同世代の私もつい最近、冬苺を人から教えられたばかりだ。冬苺はバラ科だが刺のない常緑蔓性植物。山中の半日陰の場所でよく見かける。食べてみれば味わい深いが、何しろ小粒だし摘みにくいので、あまり食べた気がしない。人間が喜んで食べるものではなさそうだ。それにしても目ざとい鳥たちには御馳走であるはずの冬苺が、冬の山中にいつまでもあるのは不思議だ。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  日没後に花が咲き、翌朝になると萎む1日花の月見草。御宿海岸の『月の沙漠記念公園』の一角では、大きめの黄色い花が咲くオオマツヨイグサが、毎…
  2. 「人生100年時代、どうやったら幸福な終活の日々を送れるのか。そのひとつとして、ヨーロッパで人気の体験・滞在型農園の菜園版的な、交流できる…
  3.  平成22年度から毎年、千葉県内各地で公演を行っている『おやこ de オペラ』。年齢制限を設けず0歳の子どもから入場でき、子どもたちが舞台に…
  4.  最近、市原市内の小湊鐡道沿線で、白と緑色の気動車が走っているのをご存じでしょうか。  この車両は、キハ40といい、小湊鐡道が2020年に…
  5.  夏鳥として本州以南にオーストラリアなどから渡って来るコアジサシ。全長26㎝程、体と尾は白色で、背と翼上面はうすい灰色、頭部はヘルメットをか…
  6.  とうとうアロエベラを買ってしまいました。ずっと気になっていた植物のひとつで、いつかは欲しいと思っていたアロエの仲間です。昔はどこの家庭にも…
  7.   富里市七栄にある国登録有形文化財『旧岩崎家末廣(すえひろ)別邸』。ここは三菱財閥の創業者一族、三菱グループ第3代社長・岩崎久彌(ひさや)…
  8.  大多喜ハーブガーデンで毎年開催される『ストーンサファリ』。2018年の第1回から好評で、回を重ねるごとに出展数も来場者も増えている。第6回…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1.  日没後に花が咲き、翌朝になると萎む1日花の月見草。御宿海岸の『月の沙漠記念公園』の一角では、大きめの黄色い花が咲くオオマツヨイグサが、毎…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る