未来に活かそう市原50年の文化

未来に活かそう市原50年の文化

 10月31日から11月4日まで、五井会館4階大ホールで市原市市制施行50周年記念『第52回市原市美術展覧会(市美展)』が開催された。
 会長の飯高和子さんは、「文化の香り高い市原市をという目的のもと、市原市美術界を結成し、以来半世紀余、次代を担う人間教育をも視野に入れて、市原市美術展を開催してきました。文化が歴史をつくる。今は心の時代。市民が交流できるギャラリーが生まれることが私たちの悲願です」と語った。
 開幕式には120人以上が参加し、会場には日本画・水墨、洋画、書、彫刻・工芸の4部門の会員や一般公募、高校生の作品が展示された。4部門通しての大賞は広岡志のぶさん(72)。母の日に家族から贈られた胡蝶蘭を描いた日本画作品。「喜びの感動が伝わってくる秀作」と評された。
 数々の魂の込められた作品の中でも、ひときわ目を引いたのが書部門(一般)で初出品ながら秀作賞を受賞した成田浩基さん(18)の『ぼく!!』。難病チャージ症候群を患っているが、生活介護事業所に通い、母親や祖母と一緒に書に親しんでいる。
 毎日書道展で毎日賞を受賞した橘由紀さん(28)は、50周年記念にもらったという雅号、由華で出品。唐宋八大家の一人、蘇東坡の詩を隷書で書いた作品だ。「格調高い」と飯高さんは評する。他、15歳から92歳までの幅広い年齢層の作品が会場を埋め尽くし、「絵画作品について言えば、自分は山歩きをするのですが、皆さんの自然の描写はすごい。あの景色をこう絵にしたんだと共感しました」と来場した野村亮さんは話していた。

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