季節のスケッチ

季節のスケッチ
俳画と文 松下佳紀

星空を仰ぐ時、蒸気機関車が影絵のように走ってゆくのを私はよく想像する。満天の星をぬって進む列車の灯。汽笛も車輪の音もかすかに聞こえてくるような……▼そう、それは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に触発された私の空想列車。乗客はみんな賢治童話の主人公だ。本に読みふける又三郎。セロを抱いたまま眠っているゴーシュ。ジョバンニとカムパネルラが笑ってる。その向こうに山ねこがどんぐりを数え続け、野ねずみと子だぬきが車内を駆けめぐる▼賢治は最後尾の席に座り、どこか一点を見つめ、まばたきもしない。私は敬愛する賢治先生に挨拶をしたいが声が出ない。出ない。ただ神妙に見つめるだけだ。そうして列車は無限空間を走る。走り続ける。

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