季節のスケッチ

季節のスケッチ
俳画と文 松下佳紀

星空を仰ぐ時、蒸気機関車が影絵のように走ってゆくのを私はよく想像する。満天の星をぬって進む列車の灯。汽笛も車輪の音もかすかに聞こえてくるような……▼そう、それは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に触発された私の空想列車。乗客はみんな賢治童話の主人公だ。本に読みふける又三郎。セロを抱いたまま眠っているゴーシュ。ジョバンニとカムパネルラが笑ってる。その向こうに山ねこがどんぐりを数え続け、野ねずみと子だぬきが車内を駆けめぐる▼賢治は最後尾の席に座り、どこか一点を見つめ、まばたきもしない。私は敬愛する賢治先生に挨拶をしたいが声が出ない。出ない。ただ神妙に見つめるだけだ。そうして列車は無限空間を走る。走り続ける。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  千葉市緑区おゆみ野公民館を拠点に活動している『緑区吹奏楽団(MSB)』。愛称は『みど吹(すい)』、設立10周年となる来年2月には、第9回定…
  2.  料理レシピ投稿・検索サービス「クックパッド」にある『市原市オッサくんのキッチン』が注目を集めている。市民に親しみをもって利用されるようにと…
  3.  広さ約1万5千平方メートルの十枝の森。敷地内には30種・数百本の広葉樹が大きく枝を広げ、例年11月の終わりから12月初旬にかけ見事に色づく…
  4.  自宅庭の落葉を片付けていたら、ゴツイ感のあるクロベンケイガニがじっとしていました。この時期は気温が低く、冬眠状態です。  クロベンケイガ…
  5.  風に揺れだしそうなコスモスの花、鳥が今にも飛んで来そうなチャイニーズホーリーの赤い実。 白地に描かれた植物からは、花びらや葉の手触りまで伝…
  6.  道の駅『みのりの郷東金』『東金マルシェ』で販売されているベジ・スイーツ『東金天門どう』。東金市の歴史文化を研究し生み出された銘菓です。 …
  7. 「寿」の文字をあしらった小袖、漁師の晴れ着と言われる「万祝(まいわい)」。県立中央博物館 大多喜城分館では、今年度の企画展として「福を呼ぶ小…
  8. 「失敗をしたと思うときはいつだって、それがあなたにとっての利益になる。素晴らしいことを成し遂げたという思いしかないというのなら、あなたはお…
  9.  昨年秋の相次ぐ台風と豪雨災害。何度も被災し一部区間が不通だった小湊鐵道が、3カ月間に及ぶ復旧作業によって、全線開通を果たしてから半年後の夏…

ピックアップ記事

  1.  千葉市緑区おゆみ野公民館を拠点に活動している『緑区吹奏楽団(MSB)』。愛称は『みど吹(すい)』、設立10周年となる来年2月には、第9回定…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る