書は心を表す

sho02 袖ケ浦市に住む成田浩基さん(19)は生まれつき難病を患っている。知的、目、耳に障がいがあり言葉も話せないが状況を見て判断し周囲との関係を保っている。嬉しいと手を叩き、散歩に行きたい時は介護職員の服を引っ張る。
 同市にある生活介護事業所『アトリエけやき』で絵や工作と並んで書に取り組んでいる。自分の思いや気持ちを筆で表現するのが書。作品は『心』、『月』などの字、顔、抽象的な線など様々だ。何を書くかは職員との呼吸も大事。母親のことを話した直後には『母』という文字を書いたことも。まさにその瞬間に彼の心の中に湧き出てきたものが作品となる。「気分が乗った時には勢いよく筆を動かします。作品が気に入らないと破ることもあります」と職員は話す。
 母親、澄恵さんの10年来の師、飯高和子さんの導きで書を始めたのは8年前。昨秋に行われた第52回市原市美術展覧会の書部門で『ぼく!!』が秀作賞を受賞。作品を前に「あたたかい気持ちになるね」と話す来場者も多かった。「飯高先生と書に出会い、子の介護以外の世界が開け、子と共に生きる力を頂いて今に至っています」と話す澄恵さんは息子の成長記録を『HIRO君』と題し、書に綴り続けている。 
 娘と孫の支えになればと澄恵さんの母親、佐久間政子さんも5年前から書を始めた。「先生は浩基のことを書を通じて心から理解し、温かく接してくれています」。書は彼らの生きる支えとなっている。(礒川)

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1.  山武市本須賀海岸のほど近く、住宅街の一角に、和泉奏平美術館がある。1993年に48才と若くして逝った画家・和泉奏平の遺作を、自宅アト…
  2. ◇新型コロナで不審な電話が増加中!  県内の個人宅では、「コロナのことで調べている」という不審な電話が確認されています。市役所職員を…
  3.  2020年は「更級日記」作者・菅原孝標娘(すがわらのたかすえのむすめ)の帰京から1000年。作者は父の上総介(かずさのすけ)任務に伴い、上…
  4.  市原市内の古道に道標を作成・設置し、椎津城跡の整備に協力するなど、文化遺産啓発活動や地域行事に協力を続けている姉崎高校の生徒らが、この…
  5.  サッカー場施設の「市原スポレクパーク」は、子どもから大人までサッカー愛好家が集まる市民・県民のための施設です。広大なピッチはナイター設備を…
  6.  分蜂の季節。ニホン蜜蜂を飼っている者にとっては待ち遠しい、期待に胸膨らむ季節です。桜の花が咲いた2週間後くらいが目安で、偵察蜂が新しい棲み…
  7. 「ダメダメッ、沼の主がいるよ。行っちゃだめー」と、子どもたちが人形に向かって必死に叫ぶ。人形劇『やまなしもぎ』の一場面でのことだ。上演…
  8. ◇多発する車上荒らし、部品盗難に注意!  市原警察署管内では最近、車上ねらいやナンバープレートを狙った部品ねらいの盗難が多発していま…
  9. 11月23日(土)、千葉市中央区のそごう千葉店で開催された『市原市・房総 災害復興フェア』。9月、10月に千葉県を襲った台風15号や暴風雨は…
  10.  毎年、年末は空き巣などの被害が増加する。また、今年は台風15号・19号の被害を狙った悪質商法や盗難事件等も発生しており、千葉県警察で…

ピックアップ記事

  1.  山武市本須賀海岸のほど近く、住宅街の一角に、和泉奏平美術館がある。1993年に48才と若くして逝った画家・和泉奏平の遺作を、自宅アト…

イベント情報まとめ

  1. ※イベントの開催につきまして、ご確認の上ご参加いただきますようお願い申し上げます。 ◆サークル ・よさこいチーム飛翠迅 毎(月) 19~2…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る