姉崎神社の節分祭

 2月3日の夜、姉崎神社で節分祭が開催された。陽が暮れると境内にはいくつもの夜店が並び、例年3000人以上とされる人出で、ごった返すほどに賑わった。特設ステージでは下町・上町・宮本の子どもたちが明神囃子を披露し、境内の中ほどに作られた大きな焚火では、お札などが焚き上げられた。
 神事は19時から。節分はもともと、季節の変わり目に厄や病などの邪気を祓い清める行事。古社である姉崎神社では、伝統的な古式ゆかしい『追儺(ついな)の儀』として、弓の弦を鳴らしたり、氏子や地域の関係者たちが玉串を捧げるなどした。
 豆まきは神事の後。参列者が2回に分かれ、特設ステージから餅と炒り豆などが入っている小袋を投げた。待っていた人たちは歓声をあげ、押し合いへし合いしながら夢中で取り、拾っていた。
 総代会会長・作阿彌(さくあみ)さんは、「姉崎の節分祭は以前から夜に行われていました。昔は海苔漁が盛んで、この時期は日中に神事ができなかったためのようですね」と話した。姉崎高校の平野校長は初参加の神事に、「姉崎は地域のつながりが強く感じられる行事が多く、魅力的ですね」。同じく初参加の町会婦人部・相川さんは「伝統的な神事に参加して、緊張もしていますが嬉しいです」と語った。
 姉崎神社の拝殿のなかには、昨年、黄金の龍も新しく飾られた。安土桃山時代の木彫で、昔は本殿向拝にあったという。ずっと保管されていたのが見つかり、修復して金箔を施し、蘇らせた。この龍ができてからは、拝殿の外からの参拝だけでなく、拝殿内側で龍に手を合わせる人も増えたという。龍は吉祥の象徴。新年度を良い巡り合わせとするために、訪れてみるのも良いのでは。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】「手作りの電飾」木村順一  恒例の市原市写真連盟展が11/1(金)~6(水)、夢ホール(市原市更級・スポーツデポ市…
  2.  銚子市は、漁業と醤油の街として有名ですが、2012年に銚子市全域が日本ジオパーク委員会から「銚子ジオパーク」として認定されました。ジオパー…
  3. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…
  4.  10/12(土)から12/15(日)まで開催される、市原歴史博物館(市原市能満)の特別展「旅するはにわ~房総の埴輪にみる地域間交流~」。千…
  5. 【写真】日展 彫刻 2023年  都内六本木の国立新美術館にて、11月1日(金)から24日(日)まで『第11回日展』が開催…
  6.  秋の里山では、山の幸クリの殻斗(いが)の棘が茶色く変わり始め目立つようになる。葉が覆い茂っている林では見分けにくい。花が咲く6月と殻斗が割…
  7. 【写真】Frederic Edward Weatherly『Peeps into Fairyland(妖精の国を覗き見る)』 …
  8. 【写真】お店の前で。『十五や』のTシャツを着た藤本さん(後列中央)と田頭さん(右隣)  緑豊かな市原市東国吉で、県道21号…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】真光寺仏殿(左)。右側は薬師堂が建つ前、本尊を安置していた書院  市原市との市境にある緑豊かな里山、袖ケ浦市川原井…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る