いちはらアート×ミックスへ行こう!

「子どもにいろいろな体験をさせたくて」、
「家族の思い出づくりに」、「感性が刺激される」

 皆さん、いちはらアート×ミックスに出かけてみましたか。「芸術なんて分からない」と言っていた人も「1日楽しめた」というイベント。是非、「おひとり様」でもグループでも、気軽にお出かけください!
 高滝湖(加茂運動広場駐車場近く)に浮かぶ作品『湖の飛行機』(KOSUGE1-16)。この飛行機に乗ってみたい、釣り体験してみたいと、家族連れはじめ老若男女が、手漕ぎボートで飛行機に向かう。
 湖に飛行機が浮かんでいるのもインパクトが強いが、岸での受付や飛行機にいるスタッフのユニフォームも個性的で目を引く。同作品の作家、土谷さんは「フライトアテンダントなので、文化服装学院の先生に、ど派手なのをと頼んで作ってもらった」と、茶目っ気たっぷりに笑う。作戦?は当たり、機上での記念撮影のリクエストも多い。
 バス釣りや水上からの眺めを楽しむのもよし、飛行機型のルアー作りや、飛行機制作状況が見られるバックヤードツアーもある。また、「ここで、お弁当を食べてもいいですよ」と土谷さん。4月中の毎週木曜日はメンテナンスのため鑑賞できない。※荒天時は臨時中止することがある。
 牛久から国道409号で茂原方面に向かうと、左側に郵便局が見え、『内田未来楽校』がある旧内田小入口となっている。ここでは、瀧澤潔さんの『内田のためのインスタレーション・赤、黄、青、白、緑、桃の調和・』と大成哲雄さんの『内田百鬼夜行』2作品が鑑賞できる。「幻想的で美しい。身近なTシャツとハンガーで構成されている発想に感動した」と瀧澤作品を観た人、「懐かしい思いに駆られた」と大成作品を観た人たちの感想だ。
 会場の旧内田小学校は市内で唯一現存する築85年の木造校舎。約50年前に廃校となり、民間に売却され校舎は残ったが、所有者の廃業により、再び売却されることに。そうなると校舎が取り壊されてしまうかもしれない。そこで昨春、地元の有志ら7人が「旧内田小学校木造校舎を保存・活用し、地域の未来を託そう」と『内田未来楽校(報徳の会)』を立ち上げた。そして、地域に根差したイベントを開催する傍ら、校舎の修繕を続けてきた。
 更に作家との共同作業での会場づくりで見事に再生した校舎。来場者は「木造の校舎はやっぱりいいねぇ。でも、ここまで直すのは大変なことだったろう」と感慨深げ。茨城県牛久市から来た若い男女は、「今夜は養老渓谷温泉に泊まる」と言い、ゆっくり会場巡りを楽しむそう。
 会場に隣接する内田未来カフェでは数種類の手作りケーキやお茶メニューがある他、地元女性が作った陶芸作品、第2クローバー学園で作ったパンやラスク、ガレット、タルトや新鮮な野菜、手芸品の販売もしており好評だとか。
 校舎前と裏手には竹製のベンチが幾つも置かれ、のんびりくつろげる。完成したばかりのトイレは男女共に洋式でウォシュレット付き。女性トイレにはミラーのふちと同じビビッドなレッドがおしゃれな洗面台。作品鑑賞と合わせてカフェタイムとトイレ休憩もどうぞ。カフェの営業は9~16時、無休。

 月出工舎(旧月出小)へは、市原鶴舞バスターミナルの駐車場に停めて、市原湖畔美術館を通る芸術祭周遊バス・月出ルートを利用するか、旧富山小学校駐車場(市原市古敷谷2252)まで行き車を停めて芸術祭周遊バスで月出工舎まで乗車する。
 会場にある月出工舎のプールでは、岡 博美さんの作品『光がつくる世界』が展示されている。プール全体を覆う生地。その下に下げられた数枚の生地にも藍染めで描かれた絵。風に揺れはためく布の下から見上げれば、2枚の布から絵が透けて見える。水の張られてないプールの中に光と影、空と緑の世界がつくられている。
 藍染めの平面作品は数あれど、このような形での展示は珍しい。岡さんは「たとえば四角は街、らせんはつながり。自然、都会、人、すべてがつながって、世界は成り立っていると思ったことを表現した」と話す。周囲は森林といったロケーションの中、濃淡があり抽象と具象の間という絵を眺める。清らかで穏やかな気持ちに浸れる空間だ。時間と共に光の位置が変わり、絵の見え方も変わってくる。時間をかけて、ゆっくり観たい作品だ。
 そして、校庭には以前紹介したチョウハシトオルさんの作品『火処』、裏山には岩間賢さんの倒木を利用して作った木のオブジェ『蔵風得水』の展示があり、塩月洋生さんの作品、藁と土を使ったストローベイル建築で改修された校舎に入る。2階に3名の作家作品が展示されている。
まずは、中国の作家シャオ・ミンさんの『経幢』。経幢とは唐から宋の時代に中国全土で見られた建築物。シャオさんは月出での滞在制作を通じ、活気で満ちていた頃の学校の記憶や情景の痕跡を残そうと、麻を使った3体と、塔の前に置かれた棚に、理科の実験で使われたフラスコやビーカー等にも麻を使った。
 次に大きな絵本が開いて並んでいる、竹村京さんの作品『この本、開いてもいいですか?』。ドイツ、ベルリン在住の竹村さんは、旧校舎に残された本や写真等の素材を再構成し、そこから得たイメージを布にドローイングや印刷、刺繍等で表現した。アート×ミックス前夜祭の挨拶では、「月出の住民になりました。子どもも期間限定ですが、里保育園に通っています」と話し、会場をほのぼのとさせた。
 一番奥の会場は、田中奈緒子さんの作品『内なる外界』。田中さんもベルリンを拠点に活動している。見えるのに触れられない影。影を媒介に忘却されていく世界との対話を。3つの光源が点滅し、イスをオブジェにした影が形を変えてゆく。光と影の世界に聞こえてくる音は、改修前から改修後の学校で録ったもの。学校再生に向けての響き音にも聞こえる。
 1階の会場は、風景と食設計室ホーのお2人が、カフェ『月と団子』を毎日10時から17時まで営業。メニューは団子のスイーツやフード、房総のびわの葉茶等。※木曜日はテイクアウトのみ。
 また、食事と朗読の公演『月出る処、今と昔』も開催。(公演のある日はカフェの営業は11時30分から)。朗読と食事による参加型のパフォーマンス公演。10名の参加者が部屋の中央にある大きな円卓に座ると「時」が流れ出し、その傍らでホーは月出の物語を語り始める。月出の人々から伝え聞いた風習や食文化、風景を1つのテーブルを通して再構築しながら口承する。参加者は語りに沿って出てくる10品の食べ物を食べながら、流れゆく時の変化の中にある風景の痕跡に触れるという内容。 
 今後の公演日は、4月20日(日)、5月3日(祝)~6日(祝)、5月10日(土)・11日(日)。いずれも10~11時。定員10名で事前予約必要。参加費は食事付きで3千円。予約は名前、予約日、参加人数を明記のhoo.yoyaku@gmail.comへ。公演に参加したという女性からお話を伺うと、ウサギの丸ごとハーブマスタード焼きやウズラと季節の野菜のローストバケット添え、フキの佃煮、山菜のサラダ、麦や粟のご飯など、昔食べられていた食材を今風にアレンジした食事だったとか。
 里見の『与市郎桜』の開花時期限定で展示された長谷川仁さんの作品『レジャーシート』。お花見のために作られた作品で、作品の上に上がってもよく、作品に映り込んだ桜もまた不思議な魅力。随所に描かれた食べ物の絵が楽しい気分を盛り上げた様子だった。 

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