奏者と聴き手が共に楽しめる演奏を

 袖ケ浦市立平川中学校吹奏楽部が、年に一度の定期演奏会を控え、練習に励んでいる。賑やかな管楽器の音が響く教室のドアを開けると、「よろしくお願いします!」部長、増田優香(ゆうか)さん(3年・アルトサックス)の号令とともに気合いの入った挨拶で出迎えてくれた。16名の部員は中学に入って初めて管楽器に触れた人がほとんど。中には楽譜を読むことからのスタートだったという人も。だが、1人1パートの少人数楽団。誰1人として欠かすことはできない。そんな環境もあってか、「部長を中心に何でも自主的に決める。自分たちに厳しく、妥協を許さず練習に打ち込む姿が見られます。私が口出しすることはほとんどありません」と顧問の渡邊政彦教諭。「音楽に言い訳なし、努力あるのみ」とのモットーを代々の先輩から引き継いでいる。夏休みの練習は朝7時から16時半まで。44日間で休んだのはわずか5日だけ。外での練習も多く、運動部に負けないくらいのハードさだ。
 2年前の日本学校合奏コンクール、全国大会グランドコンテストで銀賞を獲得。千葉県吹奏楽コンクールでは第55、56回と連続で本選大会まで出場した。今年の出場は叶わなかったが、ショッピングセンターや公民館、小学校、特別支援学校などで毎年30~40回は演奏を行っている。
 教室では、楽器を吹きながらくるくる回って踊る『ドリフ大爆笑のテーマ』と、途中で合唱を挟むファンキーモンキーベイビーズの『あとひとつ』を披露してくれた。真剣な眼差しからは、一人ひとり、しっかりと自分の役割を担おうという意気込みが感じられた。
 2年生でクラリネットを吹いている女子は「いい音が出せるようになった時、達成感を味わえる。みんなで協力し、本番で成功すると本当に嬉しい」と話した。
 第12回目の定期演奏会は10月5日(日)14時開演。袖ケ浦市民会館大ホールで行われる。入場無料。曲目は『マカームダンス』、『ありのままで(LET IT GO)』他多数。歌ったり踊ったり、オリジナルのパフォーマンスを見せるステージドリルもある。「自分たちはもちろん、聴いてくれる人も一緒に楽しめるようなステージにしたい」と増田さん。
 集合写真では、いつも人差し指を出して「ナンバーワン!」のポーズ。これも、代々受け継がれている伝統なのだとか。

問合せ 平川中学校吹奏楽部 渡邊さん
TEL 0438・75・2141

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ


今週のシティライフ掲載記事

  1.  キセキレイは、よく街中で見かけるハクセキレイの仲間ですが、個体数が少なくなっていることや、渓流や川原などの水辺を好んで生息しているため、ハ…
  2. 【写真】神明さん(左)と宗形さん  丸みのある可愛いフォルムから奏でられる心地よい音。それこそ、オカリナの最大の特徴である…
  3.  今年の夏休みのこと。学童保育のイベントで夏祭りを企画し、子どもたちは、紙で作ったお金で出店屋さんで買い物をしました。一人5百円をどう使うか…
  4.  9月の終わり頃にチャドクガの幼虫(毛虫)の毛に触れてしまったようです。チャドクガは蛾の一種で毛先に強力な毒を含んでおり、お茶の木、サザンカ…
  5.  私の生まれ育った芦別は北海道のほぼ中央に位置し、四季折々の美しい自然と星空に恵まれた町です。  昭和59年に「星の降る里」を宣言し、昭和…
  6.  きつね色にこんがり揚がった生地と香り高いカレーの取り合わせが人気のカレーパン。市原市五井西の『クロワッサンファクトリー五井店』の『じっくり…
  7. 【写真】「陰陽師と式神・外道」復元模型 国立歴史民俗博物館蔵  佐倉市の国立歴史民俗博物館にて、企画展示『陰陽師とは何者か…
  8.  市原市在住の俳人である大関博美さんは、俳句結社「春燈(しゅんとう)」と俳人協会の会員であり、今年7月『極限状況を刻む俳句 ソ連抑留者・満州…
  9.  今年は黒澤明監督生誕100年記念。前回に続き、48年前に行った『黒澤明監督5作品48時間フエスティバル』について、上映作品を時系列に紹介し…
  10. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】神明さん(左)と宗形さん  丸みのある可愛いフォルムから奏でられる心地よい音。それこそ、オカリナの最大の特徴である…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る