檀家の熱意でお寺に鐘の音を

 市原市飯沼にある曹洞宗の龍昌寺で、2月15日、鐘楼再建落慶祝賀会が開催された。創建以来約360年、荘厳な音色を地域に響かせてきた龍昌寺の鐘楼は、幾度も修繕や再建を繰り返し保持されてきた。今回再建した鐘楼は、昭和48年に建てられたもので、老朽化により倒壊の危険性が高く、この数年は鐘をつかなくなっていた。
 龍昌寺は開山してすでに400年以上、飯沼・松ヶ島・出津地区で200軒以上の檀家から崇敬されている。一昨年の夏、檀家有志により「先祖供養と地域安寧を祈ってきた鐘楼の維持を」との声が集まり、建設委員会が立ち上げられた。圧倒的多数の檀家が賛同し、地元の工務店等に工事を依頼、事業はすべて奉賛金の浄財でまかなった。
 祝賀会当日は、地域の人たちや関係者約160名が出席。本堂にて落慶法要と参加者の焼香で、先祖供養、戦病死者の鎮魂、被災地の復興祈願を行った。さらに地元の高齢者による『道元講』で、飯沼地区では昔から新築などのお祝いに唱えるという、民謡のような節回しの念仏が披露された。
 式典は、最初に木目も瓦葺きも新しく美しい鐘楼にて、来賓による奉賛金芳名額除幕と鐘の初撞き。久しぶりに重厚に響く鐘の音を聞いた出席者らからは、いっせいに感嘆と拍手がおくられた。続いて寺に隣接する飯沼公民館ホールで、事業の経過報告や施工業者へ感謝状の贈呈などを行い、地域の子どもたちが合唱『きみに伝えたい』『世界がひとつになるまで』の2曲を演奏。明るく優しいハーモニーで祝った。
 鐘楼再建に携わった檀家代表は「鐘楼を後世に引き継ごうと、多くの皆さんのご協力と賛同で、部分改修ではなく全面改修に決定し、工事も順調にいきました。これからも鐘楼の維持管理に努めて、先祖が守ってきた鐘の音を伝えていきたいと思います」と語った。

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