博物館を楽しむ一日

 4月5日(日)まで袖ケ浦市郷土博物館で行われている、市民学芸員による企画展『ふるさと袖ケ浦―人・くらし・風景―』の関連イベント『今日は一日博物館で過ごそう!』が3月1日に同館で催され、336名が来場した。
 映像展示室では、実話として伝えられている平岡地区の民話『こんぴら様とさきちの犬』、『坊さんの目薬』、『三夜様』をスクリーン紙芝居で上演。迫力のある語りに来場者は物語の中へぐいぐいと引き込まれていった。いずれも郷土史家の間山久彌(ひさや)さんが本にまとめたものを市民学芸員が紙芝居に仕立てたもので、同地区には話の元となる石のほこら、木像などが現在も残っている。「話に出てきたお地蔵さんやお堂を訪ねてみたくなりました」と来場者。絵は、地元の特別養護老人ホームの絵画クラブ会員や県立袖ヶ浦高校美術部の生徒などの協力を得て作成した。
 滝の口で生まれ育つこと約70年の鈴木弥須雄さんによるギャラリートーク『小高神社と滝の口の人々』は大きな盛り上がりを見せた。むかし滝の口村には、5mほどの大きな滝があったことや小高神社の歴史、神楽について紹介。獅子舞を被り、幣束や鈴を用いて「千早振る 天の岩戸を押し開き」の唄に合わせて勢いよく舞った当時の体験を生き生きと語った。長年受け継いできた神楽だが、継承者不足が原因で平成20年に活動停止となったことを伝えると「何とか復活させたい」、「いつでも力になりますよ」と来場者から熱い意見がたくさん寄せられた。
 また、市内で昭和初年頃まで営まれていた養蚕業に因んだ『繭人形作り』では、思い思いに人形作りを楽しむ子ども達の姿が見られた。
 紙芝居のパネル、当時の神楽の映像は同企画展にて見ることができる。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る