災害に備えて、ロケットストーブ作り

 2月22日(日)、三和コミュニティセンター主催で『災害時に役立つ簡易ストーブ作り』講座が行われた。参加者6名は、『ペール缶ロケットストーブ』作りに挑戦。ペール缶とは、18・20Lの鋼板製の缶のことで、オイルや溶剤などの液体を入れて運搬・貯蔵に用いられる。
 エネルギー自給率を高めるため小規模太陽光発電や竹炭作りに尽力する講師の石川さんは、「ロケットストーブの名前の由来は、着火した時に缶の中でゴーっと音がするんです。それがロケットのようだからです」と説明。
 石川さんは、約4年前の東日本大震災の時にボランティア団体から被災地へロケットストーブがたくさん送られたのを見て、自身も独学で制作を開始した。早ければ2時間、遅くても半日あれば完成できるというロケットストーブは、災害が起こった時に心強い一品となるのは間違いない。「中の曲がり煙突に穴が開くまで使えますので、外側のペール缶を錆びさせないことが大事です」と石川さん。煙突の仮組をしたあと、下ペール缶の取っ手を外し、ディスクグラインダーを使用して缶に3箇所穴を開ける。煙突を通したり、断熱材となるパーライトを入れるための注ぎ口だ。
 「初めて使うので少し怖いです」とディスクグラインダーを手にした女性も、十分注意を払いながら綺麗に穴を開けた。缶の中で煙突を繋ぎ合わせる際には、狭いゆえにネジを締める作業にほとんどの人が大苦戦。「ギザギザしているので手袋したほうがいいよ」など受講者同士でも気遣いが見られた。「何度も仮組み、仮止めをしなければならないので大変ですが、2個目からはなれますよ」と石川さんの言葉に頷きながら、作業は後半へ。
 缶の筒の高さは煙突の径の3倍以上になっているかを確認した後、上下の缶をつなぐようネジを4箇所で留めていく。最後はパーライトを満タンまで入れれば完成だ。「いざ災害が起こった時、自分が知識を持っていれば周囲に作ってあげることができる。200時間持てば、10日以上助かりますからね」と嬉しそうに完成したストーブを眺める受講者。
 屋外へ出て、石川さんが使用方法についても説明。「一番いいのは竹を細く切って立てることです。お湯を沸かしたり、おもちを焼いたりできますが、煙突と五徳の上部間に十分な高さを作ってください」。受講者からは、「煙が出ないので、普段から使えますね」、「これで今度バーベキューやっちゃおうか」、「初めて使った工具もあって大変な部分もあったけれど、とても勉強になりました」など様々な声が聞かれた。
 いつ起こるか分からないのが災害だ。知識を持っていれば、ロケットストーブ1つで温かいものが食べられるのだから大きな安心を得られることだろう。

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