暑~い夏『もののけ』で涼もう!妖怪の世界へようこそ

 猛暑続きの夏。涼しい場所で、妖怪と会って更に涼しい気分になりませんか?そんなオススメスポットが、千葉県立中央博物館。
 同館では9月23日(水)まで、企画展『妖怪と出会う夏』を開催中。子どもから大人まで楽しめる内容の4部構成。妖怪の世界を余すところなく紹介している。
 尚、同展では、妖怪、もののけ、幽霊、お化けなど、いわゆるこの世のものではない存在について妖怪という表記に統一している。
 第1部では、千葉県の事例をメインに、自然と共にあった妖怪と人間の関わりについての展示。まず目に入るのは河童の復元模型。(※8月15日からは『河童の手』に展示替え)。そして、河童から水神として崇拝されてきた龍と大蛇、鬼、天狗にまつわる展示が続く。
 第2部のテーマは『描かれた妖怪・怪異』。室町時代に描かれた『百鬼夜行絵巻』により、それまで曖昧な概念のみの存在だった妖怪が、ハッキリした姿を持つようになった。江戸時代には浮世絵が普及し、画題として妖怪が取り上げられ、版本(木版で印刷された本)の普及で妖怪の姿が人々の間で定着した。そして江戸時代中期以降になると、亡霊や妖怪、怪異現象が文芸や浮世絵で取り上げられるようになる。房総を舞台にしたものも『証城寺(木更津市)の狸囃』など数多くあり、妖怪画では、上総国夷隅郡出身の力士が団扇を手に河童の相撲を見物している、月岡芳年が描いた『和漢百物語』等も。また、今回初の展示となる洋画家・浅井忠の日本画3点『百奇夜行』(※作品名は作品箱書きに準じた)、『餓鬼図』、『雷神の図』にも注目。トピック展示には、洋書から模写した人魚や河童を描いた博物画も展示されている。
 第3部では『異界をのぞく』をテーマに、祭礼、病やまじないと陰陽道、地獄の鬼を紹介した展示。現在、イベント化した夏祭りが多くなったが、そもそも祭礼とは非日常の空間。神仏に祈りと感謝を捧げ、この世のものならぬ異界との交わりの場でもある。
 お囃子の音色と共に、鮮やかな衣装や化粧、仮面で演じられる芸能に登場する異形の神々や精霊は私たちを異界へと導く。伝統の祭礼を今も執り行っている県内各地の奇祭ともいわれる『つく舞い』など、致死率が高かった疱瘡や麻疹などをもたらす疫病神が嫌った赤色の絵や幣束、人形についての展示も。
 映画やテレビでお馴染みとなった陰陽道に関わる展示は、藤原貞幹の『不動利益縁起』に描かれた、平安時代に実在した陰陽師・安倍晴明が重病人の平癒を祈祷する場面を復元した模型があり、晴明と向き合う外道と脇には式神がいる。江戸時代になると、晴明の後裔(子孫)・土御門家が諸国の陰陽師に免許を与える権利を得て、以後、明治政府に陰陽道が禁じられるまで全国の陰陽師を支配した。関連展示品として、近年南房総市で発見された、貴重な陰陽師資料『鳥海家文書』が初出展されている。これは、NHKの『ファミリーヒストリー』でタレント・テリー伊藤さんの母方の先祖が、かつて陰陽家だったことが放送されて、注目された資料である。鳥海家の先祖に土御門家が送った『訴状』(陰陽師の免許状)、『掟』(守るべき掟が記されている)などもある。
 鬼の展示では、地獄極楽図や閻魔像、奪衣婆像などの他、千葉県横芝町で現在も行われている、全国的にも珍しい地獄の光景を物語にした仮面劇『鬼来迎』(国指定重要無形民俗文化財)を紹介。映像コーナーで鑑賞できる。
 第4部のテーマは『現代も親しまれる妖怪たち』。その昔怖れられてきた妖怪も、戦後は映画や漫画のヒーローとなり、今では電子ゲームの主人公やご当地キャラのモチーフとして親しまれるようになった。ここでは今日の妖怪ブームのきっかけを作った水木しげるさんや、河童の美人画で一世を風靡した小島功さんの作品などを展示。
 ミュージアムショップでは、鬼太郎グッズや妖怪関連グッズも揃えてある。

問合せ 千葉県立中央博物館
TEL 043・265・3111
千葉市中央区青葉町955・2
開館時間9~16時30分(入館は16時まで)会期中無休
入場料は一般500円、高校生・大学生250円、中学生以下と満65歳以上は無料

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