晩秋の一日

三つの異なる趣の滝を愉しむ

 房総の紅葉が色づき始める11月半ば過ぎ、 三和コミュニティセンター主催『自然散策~養老渓谷の滝巡り~』が行われた。当日は朝から雨模様の天気だったが、雨具持参で25名の参加者は元気良く集合。市の貸切バスに乗り込んだ。講師の松本靖彦さんは加茂公民館で合流。養老渓谷までの道のりを地元に精通している松本さんならではの名調子でガイド役を務めた。
 バスが高滝ダム近くにある加茂運動広場に差しかかると、すかさず「ここには千葉県で一番大きなイチョウがある。ほら、あれだよ。もう散りかけてるね。見頃は11月10日から15日頃なんだ」、里見駅の前を通ると、「週末は駅喫茶や直売をやっていて、ここの米は旨いんで有名」、右折すると飯給駅がある交差点では、「月崎駅には負けるけど、イルミネーションがキレイだよ」などと話す松本さん、皆、車窓から眺めたり、今後の参考にとメモをとったりしていた。
 養老渓谷に着くと、まずはイワツツジで知られる、房総では珍しい禅宗の古刹、水月寺近くの駐車場へ。歩いて5分ほどで、本日最初の滝、「幻の滝」こと小沢又の滝に。この滝は、30年ほど前に東京から遊びに来た人が、滝の音を聞き、気に入って土地を買い取り、山を切り開き、滝への道を造ったという。地元の人も知らなかった滝ゆえに「幻の滝」と呼ばれるようになった。
 レトロな雰囲気の茶屋で見物料200円を支払い、手作り感たっぷりの階段を下りて滝へと向かう。かなり急勾配で雨のため滑りやすくなっているので、皆、慎重に足を進める。5つあるといわれる滝だが、残念ながら松本さん曰く「このあたりの田んぼが休耕田になったから水がこなくなった」らしく、全ての滝を見ることはできなかった。でも、深山のなか間近に見る迫力ある滝の姿に、参加者からは「頑張って歩いたのが報われた。きれいね!」と感動の声が飛び交った。
 そのまま渓谷の遊歩道へ下りて、粟又の滝へ。紅葉がチラホラと見られ、渓谷の流れも楽しみながら歩いた。房総一を誇る優美な滝を堪能した後、バスで移動して、2年前、大多喜町小田代の老川十字路前にオープンした直売所やまびこセンターで昼食。食後、松本さんオススメの癒しの滝スポットを散策。直売所の駐車場奥にある、まさしく知る人ぞ知る隠れ滝、やまびこの滝だ。規模は小さな滝だが、トンネルといい、趣のある流れといい、一度は見ておきたい滝。但し、トンネル内は足場が悪いので注意が必要だ。
 午後になると雨足が強くなったので、一部コースを省略し、予定されていた2つの太鼓橋からなる観音橋の先にある出世観音へは行かずに弘文洞跡のある中瀬遊歩道に。葛藤駐車場からトンネルを通るのだが、トンネルが多い房総でも、珍百景といえる「二階建てのトンネル?」トンネル入口には向山トンネルという銘板があるのだが、トンネルを出て振り返ると、そこには共栄トンネルという銘板が!トンネル内には見上げると、もうひとつの出入り口が見えていた。どうやら、頭上に見える素掘りのトンネルは昔使われていたもので、何らかの事情で一方の出口を掘り直して改修したようだ。不思議体験のあとは、中瀬遊歩道の雨に濡れた、しっとりした晩秋の風情を味わいながら歩き、温泉街に戻り再びバスに乗った。
 最後に立ち寄ったのはいちはらクオードの森。焼き芋が美味しいと評判で、森を管理する安由美会の皆さんが注文を受けてから焼くということで、車中、希望者を数え電話で注文をする。クオードの森では、焼き芋や自慢の一品の漬け物を味わったり、地元産の野菜や加工品の買い物を。更に、点灯前のイルミネーションを特別に点灯してもらい、夕暮れ時の煌めきを見物させていただいた。※イルミ点灯は12月23日までの17~20時。土・日・祝は20時30分。今回の滝巡り、天候には恵まれなかったが、参加者の皆さんは満足した様子だった。

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