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明治大正の流行を物語る人形
- 2016/4/15
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長南町郷土資料館にて『芝原人形で綴る明治大正オシャレ手帖』が4月24日(日)まで開かれている。内裏雛や十二支、招き猫、えびす大黒などの縁起物で知られる芝原人形。振ると音がするので、石ころ雛とも呼ばれ、古くから庶民が手にできる安価な郷土人形として親しまれた。その素朴な佇まいに今も人気が高い。
同展は和装から洋装へと変遷する明治から昭和初期の女性型人形を中心に当時の風俗を辿っている。袴姿のハイカラな女学生、マントを羽織った女教師、流行の信玄袋を持った丸髷の柔和な女性ほか、いずれも笑みをたたえた姿が愛らしい。江戸後期に日本に輸入され、明治期に流行した洋傘を持つ田舎娘や花嫁に現代と変わらぬ女心が見える。企画した学芸員の風間俊人さんは「今回は愛玩具としてではなく時代を知る手がかりとして見てほしい」と話す。常設の県指定有形民俗文化財となっている製作用具も見ておきたい。成形用の型や彩色用具などから作る工程がわかる。
芝原人形は江戸初期の東京浅草の今戸人形が原型。明治初期、長南町芝原で開窯した初代田中錦山さんから直系の春吾さん、謙次さんと3代続き、最盛期には年産2万点を数えたという。一度途絶えたあと、現在、同町岩撫に工房を構える千葉惣次さん(74)が4代目を継承している。県指定伝統的工芸品。
同時開催の『おひなさまギャラリー』は初公開の御殿飾りほか江戸後期から昭和後期までのひな人形を展示している。開館時間9~16時 入館無料期間中無休
問合せ 同資料館
TEL 0475・46・1194