合唱団とともに歩み続けるオーケストラ

~市原にクラシック音楽を

 「市原市にオーケストラを」と1991年4月に発足した『市原市楽友協会オーケストラ』。同時期に立ち上がった『市原市楽友協会合唱団』とともに25年という歴史を歩んできた。毎年恒例、12月の市民会館での合同コンサートは心待ちにしている人も多いだろう。
 わずか4人からのスタートだったオーケストラだが、1991年12月のコンサートまでには約60人もの奏者が集まり、モーツァルトの没後200年を記念し『レクイエム』を合唱団と合同で披露した。会場の市民会館大ホールは満席。「市原でクラシックコンサートが聞けるなんて、と大反響。まさに快挙でした」と事務局長の浜中イソ子さんは振り返る。さらに2年後、市原市市制30周年記念のコンサートでは、音楽総監督の山本康童さんの紹介でウィーンから指揮者と声楽ソリスト2人が来日。ハイドンの『天地創造』を演奏し、これまた大成功を収めた。以降、長年市民に愛され続けているアマチュアオーケストラだ。
 現在のメンバーは10代~60代の約45名。学生時代に合奏経験がありブランクを経て再開した人もあれば、個人レッスンに通いながら入団、合奏に加わっている人も。指揮者の吉田悟さんをはじめ団員が口をそろえるのは「ほのぼのとした、家族のような温かい雰囲気」だということ。
 「体調が悪くても参加すれば楽しくて心が晴れる」と団員の声。ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽院オーケストラほか多数の指揮経験を持ち、現在は神奈川フィルハーモニー管弦楽団でヴィオラ奏者も務めている吉田さんの指導は、穏やかで丁寧。入団3年目のチェロ奏者、廣田未来さんは「大学オーケストラ時の恩師。先生の指導を仰いでいると、楽曲をより深く理解することができる。理解が深まると、音楽って楽しい!と思うんです。先生の指揮のもとで演奏したくて入団しました」と生き生きと話す。
 また、ベートーヴェンとブラームスが好きと話すホルン担当の齋藤洋一さんは「クラシックは何百年も昔に書かれた曲。それを現代の私たちが時を超えて再現、作り上げていくところに興味惹かれる」と、その魅力について述べ「何度も曲を聴き、どこでどの楽器がどのように音を出すか、スコアを丸覚えし、それを合奏で体現できるよう努力しています。きちんと吹けないと自分が納得できない」と熱意を語る。
 毎夏にはオーケストラ単独のコンサートを開く。今回の楽曲はグノーの歌劇『ファウスト』より『バレエ音楽』とチャイコフスキー交響曲第6番『悲愴』。明るく優雅な旋律ともの悲しい旋律が入り混じる『悲愴』では、それぞれの表情を出すのに苦心しているそうだ。「作曲者の意図をくみとり、きちんと表現したい」と齋藤さん。
 楽団内には、楽器ごとにレッスンノートというものが存在する。練習日に欠席した人のために指導者からの細かいアドバイスなどを担当者が記入し、欠席者は次回の練習時に、それを確認してから合奏に臨むことができる。そのほかホームページの『オケ練日記』でも伝達事項や練習ポイントの確認ができる。1人だけがいい演奏をしても成り立たない。互いに助け合いフォローしながら、みんなで音の粒をそろえていく。それが、集団でひとつの音楽を作り上げるということ。「弦楽器と管楽器、性格の違う楽器同士が音を重ね合わせ、重厚で迫力のある響きを生み出す。オーケストラの醍醐味です。苦労する場面も多いけれど、大曲ができあがったときに味わう達成感はたまらない」20代の若手副団長、五十嵐尚也さんの言葉に周りの団員もうなずく。
 オーケストラと合唱団。両楽団がひとつになった音楽団体は珍しい。合同で演奏会を行うことで曲のレパートリーが増え、互いにいい刺激となっている。「音楽としては本質的に異なるが、目的意識は同じ。市原市にクラシック音楽を根付かせ、芸術文化の向上につなげたい。聴衆と奏者が一体となって楽しめるような演奏会を心がけている」と浜中さん。夏に奏でるチャイコフスキーはロシアの作曲家。「ロシア独特のもの悲しい雰囲気が日本人の感性に合うようです。ぜひ当楽団の演奏するチャイコフスキーを聴いてみて」と微笑んだ。
 第40回市民コンサートは7月17日(日)14時開演、市原市市民会館大ホールで。入場料900円。活動は市原市青少年会館で土曜日18時30分~21時。月会費、入会費ともに2千円。メンバー募集中。

問合せ 浜中さん
TEL 0436・66・2857
http://www007.upp.so-net.ne.jp/ichihara/

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