華やかな和の作品 伝統の友禅染めを体験

 絹に描く美しい花鳥風月や装飾品などの文様。きものなどに使われる友禅染めは、江戸・元禄期に生まれた日本独自の染色技法だ。扇絵師の宮崎友禅斎が創始したと言われ、手作業による多くの工程から描き出された雅で華やかな彩りは、国際的にも人気がある。
 市内在住、友禅模様作家・日本画家の森田裕八さんは、鎌倉で17年間修行し、5年前に自宅を工房にして独立。8月19日、南総公民館主催で初めて行われた『友禅染め体験』で講師を担当した。講座の参加者20名は、事前に雪の結晶、扇、こま、犬の張り子、花雀の絵柄からひとつを選び、森田さんが下絵に糊置きなどして準備した正絹へ、当日、色をつける『挿し友禅』を行った。
 まずは色の作り方から解説。白い小皿に薄め液と染料を筆で混ぜ、好みで色の濃淡を作る。「白も少し薄めると塗りやすいです。塗り始めに白や薄い色を使うと、はみ出しても重ね塗りできるので、うまくいきますよ」と森田さん。作業には、弓なりの細い竹2本に布を張る道具『伸子(しんし)』を使用。絵柄が描かれた正絹をつけ、竹が交差した部分を持って、色を少しずつのせていく。筆に染料を含ませすぎないよう、皿のふちで筆をしごき、染料の量を調節するのがコツだという。「真っ白なところへ塗るので、緊張します」「好みの色にするのがけっこう難しいですね」と参加者は、慎重に筆を動かした。
 森田さんも参加者それぞれの作業を見ながら、色がはみ出した場合は薄め液を使ったぼかしの技法などで修正。「乾かないうちに重ね塗りをすると滲みます。別の場所を塗るなどして、乾いてから濃い色で塗り直しを」とアドバイス。色を塗り終えた人は、絵柄の横に自分の名を入れる作業に。枠で囲んだ一文字を糊で描き、枠内に朱色を入れると落款風になる。図柄が同じでも人によって色使いが異なるため、それぞれまったく違う印象となった。「色の作り方も初めて、という方もいらっしゃいましたが、完成した作品はどれも素敵で、私も嬉しくなりました」と森田さん。
 作品はこの後にも、色を定着させる蒸しなどの工程が必要なため、森田さんが工房で仕上げ、後日の引き渡しに。作業の後で森田さんの作品を見た人は「単純な模様でも細かい作業なのに、振袖や訪問着、帯が手描きなんて、凄いですね」と感嘆しきり。「面白かった。またやってみたいです」「違う絵にもチャレンジしたい」「額を買って家に飾ります」と、参加者はできあがりを楽しみにしつつ、散会した。

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