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ふるさとビジター館
- 2017/1/13
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タカらしくない身近なタカ!! トビ
トビは、タカの仲間の中でも最も普通に見られ、「トンビ」とも呼ばれ、身近な大型の野鳥の一種としてよく知られています。ピーヒョロロとおなじみの声で鳴きながら、上昇気流や風に乗り、滑空と羽ばたきを繰り返して、大きな弧を描いて大空をゆっくりと飛翔します。見た目はのんびりとした雰囲気で、西洋凧の一種の「カイト」も、トビが羽を広げて飛翔している姿に似ているため、トビの英語名が付けられたと聞いています。
全長60~70㎝、翼を広げると150㎝を超え、カラスよりも大きいです。全体はこげ茶色もしくは濃い褐色。翼下面もほぼ褐色で、白色部分が多い他のタカとは異なります。また、尾羽の先端が三味線のバチのような凹状で、先端に膨らみがある他のタカとは異なり、これも識別点となります。他のタカやハヤブサの仲間のように狩りはあまりせず、上空から、弱ったり死んだりした魚や動物などを見つけては、降りて食べます。また、ゴミ捨て場に集まるなどの行動から、勇壮なタカの仲間とは区別されて、「トンビがタカを産む」や「トンビに油揚げをさらわれる」ということわざになっているものと思われます。野鳥観察会でも、タカらしき野鳥を見つけると、観察者が一斉に双眼鏡で追うのですが、トビとわかるとあまり興味を示さない方も多く、また、広げているお弁当を狙って急降下することもあり、あまりヒトから好かれているとは言えません。
とは言っても、鉤状の嘴や眼光鋭い目にはタカの威厳さえ感じます。
市原市近郊では、海岸から内陸まで、トビの飛翔を見ることができます。下界を見下ろしながらゆったりと飛翔するトビを見て、鳥になって大空を飛びまわりたいと思うのは私だけでしょうか。
(ナチュラリストネット/岡嘉弘)