大人の魅力たっぷりのバンドが登場

 2月下旬に市原市勤労会館で開催された生涯学習フェスティバルに出演した『ピアノボーカルデュオwithブルースギター』のメンバーは3人。ボーカルの大川陽子さんとブルースギターの菅野敏雄さんは市原市在住、ピアノの中山雅世さんは船橋市在住だ。大川さんが八幡公民館で演奏者募集の張り紙を見たことをきっかけに参加した同フェスティバルで、3人はジャズなど5曲を披露した。
 「5年ほど前、私がボーカル教室を訪れた時にピアノを弾かれていたのが中山さんとの出会いです」と大川さんは話す。そこに大川さんの義弟である菅野さんが参加し、3人で演奏をするようになったのは3年ほど前からだ。
 自分で作詞・作曲も行うという中山さんは、都内や千葉市内のライブハウスで演奏することが多い。決してバンド歴が長いわけではなく、それぞれの仕事の都合もあり練習時間も限られている。だが、「合わせるうちに、相手の音が分かってくるんです。楽譜を作ってくれる時もあるので、中山さんの胸を借りている感じです」と笑顔を見せる大川さんは、都内の有名ライブハウスのオーディションにも合格した経歴を持つ。
 ほっそりとしたスタイルの大川さんが歌う姿はとても妖艶で、演奏曲はジャズだけでなくブルースや歌謡曲、洋楽までと幅広い。3人で演奏する曲はロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売って作ったと言われる有名な『ミー・アンド・ザ・デビル』やボビー・トゥループが作詞作曲をした『ルート66』など。
 エレキやフォークなど様々なギターを弾く人たち、そしてアメリカでもみんなが歌うような曲を演奏する『ピアノボーカルデュオwithブルースギター』だからこそ、より親しみを感じてその音を楽しめるのかもしれない。ロックとジャズの融合したものをブルース調に仕上げ、菅野さんが女性2人に音を添えるようにしてバンドは完成している。ピアノの上を滑るように動く中山さんの指は軽やかなメロディーを生み、大川さんの伸びやかな歌声は心地良さを誘う。思わずうっとりと眺めていたくなるほどの3人の演奏は、まだ始まったばかりだ。
 選曲はお互いが好きなものを選ぶといい、毎月1回千葉中央にあるライブハウスで定期的に演奏している。「学習フェスティバルには母が聴きに来てくれたんですが、格好いい、うっとりしちゃったと大絶賛してくれました」と菅野さんが話すと、「音を一緒に出すというのはとても親密なことで、会話するより相手の人柄が分かります。1人で演奏するとは違う面白さがあります。これからさらに曲のアレンジなどをしていけたらと思います」と中山さんも続けた。

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