英語漬けの1日

 市原市の小学校で一日中英語だけを使って生活する『市原アクティブ・イングリッシュ』が行われている。9月5日、牧園小学校(岡本健一校長)を訪れたのはアメリカ、ケニア、ジャマイカなど出身のALT(外国人講師)11人。
 体育館のオープニングセレモニーで「ハロー」と呼びかけると5年生110人は元気に応えた。自己紹介など緊張を解きほぐすゲームを行ったあと、日本語を使わないことを約束し、英語漬けのレッスンがスタート。子どもたちは11人のグループに分かれ、体育館や教室に設けられた10種類のアクティビティを回った。
 『ティック・タック・トウ』は9つのマスにお手玉を投げ入れるゲーム。入ったマスの点数で勝ち負けを競う。マスにはピザ、ケバブ、タコス、ホットドッグなどのカードが置かれていて、投げ終わるとお手玉の入ったマスの食べ物を声に出して言わなければならない。日本語になっている食べ物でも英語の発音は難しい様子。恥ずかしそうに発音する女の子もいれば、最高点のマスにお手玉を入れ、「ハンバーガー」と嬉しそうに叫ぶ男の子もいる。
 左右、手足などの単語を習って挑戦するのは『タングルズ』。床のシートに描かれた、形と色の異なるいくつもの図形に四つん這いになって片手や片足を置くゲーム。どの図形にどの手足を置くかは相手チームが引くカードで決まる。おかしな恰好になっても何とかバランスを保てれば成功。ブルー、レッド、サークルなど色や形の単語を繰り返し聞くうちに、体が英語に慣れていく。
 ボードゲームあり、ニンジャゲームあり。英語で説明されると複雑に見えるアクティビティも、身振り手振りでルールを教わると、子どもたちは覚えたての単語や質問を駆使して熱中。ALTたちはジョークを飛ばし、間違えても「ベリーグッド」、「ナイストライ」と褒めてくれる。日本語を話すと「ノージャパニーズ」ともがいて苦しむふりをするALTもいた。
 在住外国人が多い市原市はグローバル化を見据え、外国語活動を独自に増やしている。5年生は、アクティブ・イングリッシュの時間を加えると通常年35時間のところ49時間の授業がある。市教育委員会の指導主事、鈴木俊一さんは「市内の5年生全員がアクティブ・イングリッシュを体験します。英語ができないと不安に思う子どもでも、小人数でALTと触れ合い、一言でも伝わったという経験があれば自信を持てるでしょう」と期待する。
 子どもたちは「ジャンケンゲームが楽しかった」、「英語はわからなかったけど優しくて、通じるとおもしろかった」、「絵でわかった」と生き生きとした表情で先を争って感想を話してくれた。

関連記事

今週の地域情報紙シティライフ

今週のシティライフ掲載記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…
  2. 【写真】教室の講師と子どもたち  JR浜野駅前と五井駅前でダンススタジオを経営する堀切徳彦さんは、ダンス仲間にはNALUの…
  3.  市原市不入の市原湖畔美術館にて、企画展『レイクサイドスペシフィック!─夏休みの美術館観察』が7月20日(土)に開幕する。同館は1995年竣…
  4. 【写真】長沼結子さん(中央)と信啓さん(右) 『ちょうなん西小カフェ』は、長生郡長南町の100年以上続いた小学校の廃校をリ…
  5.  沢沿いを歩いていたら、枯れ木にイヌセンボンタケがびっしりと出ていました。傘の大きさは1センチほどの小さなキノコです。イヌと名の付くものは人…
  6. 『道の駅グリーンファーム館山』は、館山市が掲げる地域振興策『食のまちづくり』の拠点施設として今年2月にオープン。温暖な気候と豊かな自然に恵…
  7.  睦沢町在住の風景写真家・清野彰さん写真展『自然の彩り&アートの世界』が、7月16日(火)~31日(水)、つるまい美術館(市原市鶴舞)にて開…
  8.  子育て中の悩みは尽きないものですが、漠然と考えている悩みでも、種類別にしてみると頭の整理ができて、少し楽になるかもしれません。まずは、悩み…
  9. シティライフ編集室では、公式Instagramを開設しています。 千葉県内、市原、茂原、東金、長生、夷隅等、中房総エリアを中心に長年地域に…

ピックアップ記事

  1. 【写真】第1展示室  人々の暮らしを様々な面で支えている人工衛星。ロケットで打ち上げられた人工衛星は地球の周回軌道に投入さ…

スタッフブログ

ページ上部へ戻る