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アートいちはら2018春

 5月3日(祝)から6日(日)まで開催されていた『アートいちはら2018春』。昨年のいちはらアート×ミックス2017に引き続き、いちはら南部の里山や閉校となった小学校などを舞台に現代アート作品の展示やワークショップが行われた。今回はその中でも代表的だった3つの展示会場をご紹介。
 まず、旧里見小学校では市内在住の洋画家、前田麻里さんによる『時速30㎞の銀河の旅』が幻想的な世界を作り上げていた。飾られた作品は約30枚。小湊鉄道と宮沢賢治の銀河鉄道の夜の双方をイメージした教室内は、驚くことに照明はほとんどなし。自分の手で懐中電灯を持ち、光を絵に当てることで、まるで銀河を冒険しているような体験ができた。
 「今回、脚本家の坂口理子さんや振付師の美木マサオさんと3人で作り上げました。今後もシリーズものとして続けて行く予定ですので、3人のスタートという意味を込め始発駅と題しています。日常から離れた空間を楽しんで欲しいです」と話す前田さん。自分の意志で絵を照らすことで、普段見えない何かが発見できるという。
 そして、養老渓谷駅近くにあるアートハウスあそうばらの谷で鑑賞できたのは、日本を代表する動く彫刻の第一人者である伊藤隆道さんの『光と動き・宇宙』と『一本の線・三本の動き』などの4作品。『光と動き・宇宙』は昨年12月から今年3月にかけて資生堂銀座ビルのショーウィンドウに展示されていた作品を移設。純和風の古民家で光る現代的な光のアートが、訪れる人々の目を終始ひきつけていた。
 「現代アートは分かりにくいという意見があると思いますが、今回の展示は純粋にすごい、綺麗という声がとても多いです」と話す女性スタッフ。何色もの光が動く仕組みに、来場者は夢中で首を伸ばし天井や床を覗き込んでいた。また、『一本の線・三本の動き』も同様だ。横に回転する線に対して上から光を当てる。不思議と線が上に向かって動いている錯覚に陥る。「上がったり下がったり、謎の生き物みたい」、「どうして、どこが動いているの」と初対面の来場者同士が作品を囲み、談議している姿は印象的だった。

続ける意味

 さらに、月出工舎が作り上げたのは国際交流展『コンニチハ メキシコ×月出』。今回メキシコをテーマにしたのは、昨年から月出工舎に滞在し精力的に作品を制作している岡田杏里さんが、かつてメキシコに留学した経験をもつことが発端となっている。また、市原市名誉市民の故深沢幸雄さんもメキシコに渡って以降に画風が大きく変化したと言われており、今回6枚の作品を特別展示した。
 実行委員会事務局スタッフの男性は、「月出工舎は地元の町会さんも一緒になって会場を作っている、地元に根付いた空間です。アート×ミックスを行う上で市が目指している形であり、徐々に同じような共同体があちこちで生まれてきています。会場ごとの違いも楽しんでもらえたら」と、楽しそうに語った。

 月出工舎では、岡田さんの大作絵画が入口で来場者を出迎え、2階には壁画やシルクスクリーン、彫刻を手掛けるメキシコ人作家のヘラルド・バルガスさんによるカラフルな絵も教室内を明るくした。別の男性スタッフも、「ヘラルドさんは、会場を設営しながら黒板にチョークで絵を描いていました。チョークを始めて使ったとか。いつも壁画やシルクスクリーンで細かい作業をしているからと、その簡単さに驚いていました。アートいちはらがお互いに刺激を与えていることが嬉しいですね」と話した。 
 2018秋には、さらに進化したアートいちはらが見られることだろう。

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