個人のお宝コレクションを展示

本物を間近に見てほしい SGT美術館(勝浦市)

 芸術の秋、知る人ぞ知る私設美術館をご紹介したい。2016年7月にオープンしたSGT美術館だ。勝浦市の会員制リゾートホテル東急ハーヴェストクラブ近くにある。2階建ての美術館は1階にカフェを併設したミュージアムショップがあり、2階が展示会場となっている。エレベーターがあるので足の不自由な人にもありがたい。展示会場は3つのジャンルに分かれており、加えて年に3回、特別企画展が開催されたり、クラシック等のコンサートも開かれ、リピーターが多い。美術館はオーナーの菅田孝治さん(72)が40年かけて蒐集したコレクションを展示している。収蔵品は江戸時代から現代までの絵画(古書画・洋画・日本画)や陶磁器、漆器、ガラス器、彫刻、皇室・宮家調度品などとバラエティーに富んでいる。
 菅田さんは半導体等を扱う商社の経営をしていたが、30代になるとマイセンのカップに魅せられ集めるように。その後、画家の西村計雄の絵に魅了され、彼の作品もコレクションに。その頃、たまたま都内のオフィスが入っている同じビルで店を構える骨董店主と出会い、彼に勧められ美術品を購入するようになった。都内在住の菅田さんが勝浦市に美術館を造ったのは、「勝浦の風光明媚な土地柄を気に入り、定年後はここで暮らしたいと考え土地を購入し家を建てた。20年ほど前から東京のマンションで個人美術館を開いていたが、限られた人にしか見せていなかったので、ここに美術館を建てて一般公開したいと考えた」とのこと。菅田さんの名前をアルファベットで表したSUGATAからSGT美術館とネーミングした。
 館内に入り、まず目に飛び込んでくるのは、12月24日まで開催されている特別企画展『かわいいガラス展』の展示品、鼻煙壷の数々。嗅ぎ煙草を入れる容器で、西洋から中国に伝わり上流社会で大流行した。特殊な技法で小さな壷口から先端が直角に曲がった専用の筆を差し入れ内側から絵を描いている。百年以上前の中国のものがほとんど。小品だが、独特の宇宙観に圧倒される。
 ミュージアムショップにカフェコーナーがあり、ここやオープンカフェでも、2階のテーブル&椅子コーナーでの飲食もOK。千葉県の珍しいグルメ商品や同館オリジナルグッズも販売。壁面にはカフェギャラリーの如く、地元の画家の作品や芸術家団体の作品、菅田さんの油彩画も展示販売されている。
 階段を上る途中にある、窓に嵌め込まれたステンドガラスは500年位前のルネサンス期の作品。この頃のものは珍しく、噂を伝え聞いたキリスト教徒の人が鑑賞しに来た。また、その荘厳な美しさに「インスタ映えする!」と撮影する人も。ちなみに、「感動を伝えてもらえるのなら」との館長の想いから作品の撮影は禁止していない。
 2階の第一展示場入口前には時代猫脚飾り棚が置かれ、ロイヤルドルトンの人形やマイセンの花瓶、人形が飾られている。会場内では特別展とのコラボがあり、蒔絵作品と共に展示されたガラス製の花器も。それより先は、皇室・宮家調度品が雅やかな美空間を演出。明治天皇の七宝焼きの文箱や枕屏風、宮家の蒔絵箪笥、昭和天皇の御結婚披露宴メニュー等々の皇室ゆかりの品々。さえぎるものなく一般人が目にできる機会は滅多にないだろう。
 会場右手には国宝や重要文化財に指定された200年以上前の巨匠たちの作品を展示。マニア垂涎の逸品ばかり。美人画では歌麿と人気を競った鳥文斎栄之の作品も。更に進み正面奥に置かれた明治天皇皇女の嫁入り箪笥、桑御箪笥は昨春、鑑定系テレビ番組でも紹介された超お宝品。非日常の世界ともいえる超一流品揃いの展示の中に、身を置き鑑賞していると浮世の憂さも晴れそうだ。第一会場は全て、ガラス張りの展示スタイルではないので作品から醸し出されるオーラがダイレクトに伝わってくる。

極上の美を堪能する

 第二展示場では国内外のガラス作品が輝きを放っている。ルネ・ラリックやエミール・ガレの花瓶、薩摩切子、ムラノの香水瓶、日本のガラス芸術のパイオニア・岩田籐七や文化勲章受章者・藤田喬平の作品等々、加えて「20世紀最大の芸術家」ともいわれるパブロ・ピカソが描いたグラヴィールグラスも展示。
 第三展示場では、渡仏しピカソを育てた大画商に認められパリで活躍し、個展のたびにフランス政府に作品を買い上げられ、「東洋と西洋の調和のとれた統合」と評価された画家・西村計雄の作品を中心に他、著名な作家たちの作品が展示されている。
 展示場は小窓や天窓、大窓があるなど開放感にあふれている。ゆったりと鑑賞してほしいと館内には休憩用の椅子が幾つもある。極上の本物と出会う贅沢な時間を過ごしてみては。

問合せ SGT美術館
TEL 0470・64・6336
開館日は毎週(金)(土)(日)(月)10~17時。※入館は16時30分まで。休館日は(火)(水)(木)、12月26日~1月5日。入館料は一般・大学生900円、中高生600円、小学生400円※10名以上は各料金100円引き。

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